Subject   : シャペロン(chaperone)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 シャペロン(chaperone)
 シャペロン(chaperone)とは、他のタンパク質分子が正しい折りたたみ(フォールディング)をして機能を獲得するのを助けるタンパク質の総称である。分子シャペロン(molecular chaperone)、タンパク質シャペロンともいう。

シャペロンとは、折りたたまれていない(変性状態の)タンパク質に結合し、それが適切に折りたたまれた状態(天然状態)になるのを助けるタンパク質の総称である。折りたたみ (フォールディング)はタンパク質が適切な構造と正常な機能を獲得するプロセスである。シャペロンはフォールディング完了後には基質との結合を解いて遊離し、フォールディング後の基質の一部とはならない。また、シャペロンの構造は反応前後で変化しないし、フォールディング後の構造を指定しない。天然体の構造は基質のアミノ酸配列によって行われ、シャペロンはあくまでネイティブ構造の形成がなされやすい環境、または機会を提供するだけである。

シャペロンの機能はフォールディングの補助だけではない。タンパク質の品質管理(複合体形成、輸送、リフォールデング、脱凝集)も担っている。

これらの機能は生命活動において必須事項であるため、シャペロンは必要不可欠な存在である。分子シャペロンの異常は、細胞の恒常性維持に関わるタンパク質の機能不全を引き起こす。具体的には、代謝系の異常、腫瘍の進行、神経変性疾患、心血管障害などの病気の進行の要因となると考えられている。また、別の見方をすれば、細胞内に存在する個々のタンパク質のコンホメーション、結合相互作用、局在 および濃度の制御(タンパク質恒常性)が適正化かつ維持されるためにシャペロンは必須の要素である。

大部分のシャペロンは正常に機能するためにATPのエネルギーを要するが、シャペロンには様々なものがあり、詳細な機能については不明の部分が多い。

<出典:Wikipedia>
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