Subject   : 糖尿病性ケトアシドーシス

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 糖尿病性ケトアシドーシス
 糖尿病の人はインシュリンがなかなか膵臓から血中に出ない。そのため血の中に糖があってもそれを細胞の中へと入れることが出来ない。つまりインシュリンが出ないために血の中には糖があるのにその糖を欲しがっている細胞には糖を渡すことが出来ないのである。

細胞は栄養である糖が入ってこないため、体の中の別な栄養からエネルギーを手に入れようとする。それが脂肪である。この脂肪を酸化させてとりあえずエネルギーを手に入れる。しかし、この脂肪を酸化させたときの燃えかすはケトン体(アセトン、ハイドロキシ酪酸、アセト酢酸)といって酸の仲間なのである。

体の中のpHは緩衝系により常に一定の値に保たれている。ところがこのケトン体によって酸性に傾いてしまい一定のpHを保てなくなる。これを「糖尿病」による「ケトン体」による「酸性(acidosis;アシドーシス)」状態、つまり糖尿病性ケトアシドーシスという。症状として口が渇く、多尿、急激な体重減少、頻脈、縮瞳、はいた息がアセトン臭いなどがある。

 ■ AG増加性代謝性アシドーシス
 AGの増加は不揮発酸の蓄積を示す。人間の身体は電気的に中性である。すなわち、陽イオンの価数だけ陰イオンが存在する。陽イオンは主にナトリウムイオンであり陰イオンはクロールイオン、重炭酸イオン、有機酸である。よってAGを以下のように定義すると大雑把に有機酸がどれ位あるのかを把握することができる。AG=ナトリウムイオン−(クロールイオン+重炭酸イオン)である。正常値は12±2mEq/Lである。カリウムイオンを考慮することもあるがその場合は正常値が16前後となる。

 ⇒ アシドーシスとアルカローシス

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