Subject   : 抗原抗体反応

カテゴリー  : 学びの館 > 生物 


 抗原抗体反応
体の外から花粉やダニの死がい、病原体などの異物(抗原)が侵入すると、 白血球の仲間である顆粒球マクロファージが異物をその内部に取り込んで 殺そうとします。 マクロファージは取り込んだその異物の情報をリンパ球の T細胞B 細胞に提示し、提示を受けたB細胞は分裂、増殖してその異物を攻撃する抗体を作ります。 これで、次回に再び同じ異物が体内に侵入した時の異物を攻撃する態勢が 整ったことになります。 あたかも、容疑者の顔写真が全国の警察に配られて指名手配となり、どこかで犯人が見つかったら一斉に取り押さえるのと似ています。このようにして、人間の体は異物の攻撃から身を守るシステムを作っており、これを免疫反応といいます。このシステムはまた、抗原抗体反応ともいいます。

 アレルギー反応は、本来自分の体を外敵から守るために働くはずの抗原抗体反応が、自分の体にとって逆にマイナスに働く場合のことをいいます。このアレルギー反応に深くかかわっているのが、抗体の中でもIgE抗体と呼ばれる物質です。IgE抗体はもとは寄生虫が体の中に入ってきた時にできる抗体です。ところが、日本人の生活が清潔になって体の中から寄生虫が激減し、このためIgE抗体の活躍の場がなくなったことがアレルギーの増加と関係しているのではないか、と指摘する研究者もいます。

 まず花粉などのアレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)が体内に入ると、そのアレルゲンに対応したIgE抗体ができ、それが体内の肥満細胞(マスト細胞)や好塩基球などと結合します。この状態を感作といいます。この状態で、そのアレルゲンが再度体内に侵入してIgE抗体と結合すると、肥満細胞や好塩基球細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が排出されて、皮膚や呼吸器、消化器などにさまざまなアレルギー症状を引き起こします。


 ⇒ 抗原と抗体

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