Subject   : 顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)

カテゴリー  : 学術情報 


 顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)
白血球は顆粒球とリンパ球,単球に大別されます。 顆粒球には好中球,好酸球,好塩基球の3種類があります。
顆粒球は細菌やウィルスに対して直接攻撃を仕掛けます。食い殺すという表現がピッタリで、顆粒球はその細胞内に細菌などを取り込み蛋白質を破壊する酵素で細菌を破壊し消化してしまいます。これが顆粒球が貪食細胞とも呼ばれるゆえんです。
● 好中球
血液中に最も多く存在する顆粒球である.白血球全体の6割をしめる.単球・マクロファージとともに,細菌の侵入に対して最も有効な武器である。 とくにIgG抗体IgM抗体と結合した抗原は効率的に処理する.
特別な信号を受けると血流を離れ組織に入りこみます。これらの信号は細菌そのものから、あるいは補体タンパク、マクロファージなどから発信されますが、そのすべてが好中球を問題部位に引き寄せる物質をつくります。この細胞を引き寄せるプロセスは走化性と呼ばれます。
● 好酸球
好酸球は,寄生虫感染やアレルギー疾患で増加します。 増殖・活性化因子は インターロイキン3と5およびGM-CSFというサイトカインである.これらの因子は好塩基球の増殖・活性化因子でもあるので,好塩基球の数は10分の1であるが,好酸球と同時に増減することが多い.
好酸球の顆粒の中にはアルギニンやリジンを多く含む塩基性の蛋白がつまっている.そのため酸性色素により強く染色される. 代表的な塩基性蛋白としてmajor basic protein (MBP),eosinophil cationic protein (ECP)がある.いずれも,寄生虫や気道上皮粘膜などを強く傷害する作用がある.後者は好酸球が活性化されているかどうかの検査としてしばしば用いられる.
また好酸球は喘息(ぜんそく)のようなアレルギー反応にも関与しています。
● 好塩基球
白血球全体の0.5%をしめる.標本を染色すると塩基性色素によく染まる顆粒をもつことが名前の由来(好酸球は酸性色素によく染まる顆粒をもつ)。
好塩基球は異物細胞を捕食しません。好塩基球には、アレルギー反応を起こす物質であるヒスタミンを放出する顆粒があります。また、好塩基球は好中球と好酸球を問題部位に引き寄せる物質をつくります。
好塩基性顆粒,IgE抗体で感作後,アレルゲン刺激で脱顆粒をおこし,ヒスタミンを遊離する細胞はマスト細胞と好塩基球の2種類のみである.マスト細胞と好塩基球は機能・形態は似ていても起源は異なり,好塩基球は好酸球と近縁である.マスト細胞の役割分担は全身臓器の組織中に固着し,アレルゲンの侵入を待つのに対し,好塩基球は血液中を巡回し,炎症がおきた場所に引き寄せられ,マスト細胞の役割を補佐する
 ⇒ 血液の成分

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