Subject  : 鎮痛薬

カテゴリー: 健康・医療情報 > 薬学


 鎮痛薬
市販の鎮痛薬には、アスピリンやその他のサリチル酸塩(コリンやサリチル酸マグネシウムなど)、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセンナトリウム、アセトアミノフェンなどがあります(痛み: 非オピオイド鎮痛薬を参照)。これらの薬は、頭痛や生理痛、関節痛などさまざまな種類と程度の痛みを軽減するほか、解熱にも使われています。市販の鎮痛薬は短期間の服用ではある程度安全ですが、ラベルでは痛みの治療で7〜10日以上使用する場合について注意しています。症状が悪化したり消えない場合は、医師の診察を受けるべきです。

● アスピリン
最も古く、最も価格の安い市販の鎮痛薬はアスピリンです(アセチルサリチル酸)。アスピリンを制酸薬と組み合わせれば(緩衝製剤)、胃を直接刺激する作用を減らすことができます。制酸薬はアルカリ環境をつくってアスピリンを溶かす効果があるので、アスピリンが胃の内壁と接触する時間を短縮できます。しかし、アスピリンの緩衝製剤も胃を刺激することがあります。アスピリンには胃の内壁を保護するのに役立つプロスタグランジンの産生を低下させる作用があり、緩衝効果はこの作用にまでは及ばないからです。

腸溶性アスピリンは、胃をそのまま通り抜けて小腸で溶け、それによって直接の刺激を最小限に抑えるように設計されています。しかし、コーティングされたアスピリンもその設計通りに吸収されるとは限りません。また、ものを食べると、胃が空になるのが遅れて腸溶性アスピリンの吸収が遅くなるため、痛みの軽減も遅れる可能性があります。

ライ症候群(ライ症候群とはを参照)になるおそれがあるため、インフルエンザや水ぼうそう(水痘)にかかっているか、その疑いのある小児や10代の若者はアスピリンを服用してはいけません。

● アセトアミノフェン
小児の解熱と鎮痛の薬として1955年に導入されたアセトアミノフェン(一部の国ではパラセタモールとして知られる)は、1960年に店頭で購入できるようになりました。アセトアミノフェンは非ステロイド性抗炎症薬ではありませんが、痛みの緩和能力や解熱作用ではアスピリンにほぼ匹敵するものです。

アセトアミノフェンは胃にはほとんど悪影響を及ぼしませんが、アセトアミノフェンを長期にわたって多量に服用すると、肝臓障害などいくつかの危険をもたらすおそれがあります。

アレルギーやかぜ、せき、インフルエンザ、痛み、鼻の病気などに使用される多くの市販薬には、アセトアミノフェンが入っています。過剰摂取を避けるには、薬のラベルをよく確認してアセトアミノフェンが入った複数の製品を同時に服用しないようにすべきです。
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