Subject   : エゴマ(荏胡麻)

カテゴリー  : 食品・料理 


 エゴマ(荏胡麻)
  エゴマ(荏胡麻)は一年生のシソ科植物で、東アジアで食べ物として栽培されている植物です。エゴマはゴマの仲間とよく間違われますが、実はシソと学名が同じ(Perilla ペリラ)植物です。

 日本ではじゅうねん(東北)、えぐさ(長野)、あぶらえ(岐阜)などと呼ばれ、昔は全国に、今は高冷地を中心に作られている雑穀であり油脂性の植物です。食べ方がゴマとよく似ていますが、エゴマの成分・効能はゴマとは全く違います。なぜならエゴマにはアルファ・リノレン酸という健康によい油が60%以上も含まれていますが、ゴマにはそれがほとんどありません。

エゴマの原産地はインド高地より中国雲南省の高地と推定され、ここから中国、韓国、日本に入ったといわれています。
 エゴマは1万年〜5500年前の縄文時代から日本人に作られ食べ伝えられてきました。5500年前の遺跡7カ所からエゴマが出土しています(福井県三方町の鳥浜遺跡、長野県諏訪市の荒神山遺跡など)。ですからエゴマは日本最古の油脂植物といえそうです。
 エゴマが油として使われるようになったのは平安時代初期(859-877年)で、山城国(京都)の大山崎神宮宮司がエゴマから油をしぼったことに始まると言われています。エゴマ油は食用の他、灯籠や提灯の燃料としてまた傘や雨合羽、さらに建築家具の塗装としても用いられていました。また戦国時代(1500-1568年)には美濃(岐阜)城主斎藤道三が若いころエゴマ油の行商人として財をなしたとつたえられています。鎌倉時代から徳川幕府中期までの800年間、日本はエゴマ油の全盛時代でした。しかし、江戸時代後期に、なたね油が広がると、エゴマを作る人が少なくなりました。


 ⇒ 種実類

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