Subject   : XバンドMPレーダ

カテゴリー  : 産業・技術 > 


 Xバンドマルチパラメータレーダ
XバンドMP(マルチパラメータ)レーダは、 従来の広域レーダに比べ、高頻度(5倍:5分間隔→1分間隔)、高分解能(16倍:1kmメッシュ→250mメッシュ)での観測が可能です。

従来の気象レーダは一つの偏波を使うのに対して、マルチパラメータレーダでは水平と垂直の二種類の偏波の電波を使います。 マルチパラメータレーダによる降雨強度の推定の原理は、雨が強くなると、雨滴の形状が球形から扁平な形になるという事実に基づいています。

定量観測範囲は半径約60km(広域レーダは半径約120km)であり、本サイトでは、レーダサイトより半径60Kmの距離にグレーの線を表示しています。 なお、両レーダの観測雨量値については、観測間隔やメッシュサイズ、観測高度、雨量算出方法等が異なっていることにより、表示域の雨量分布や強度について、異なることがあります。

Xバンドマルチパラメータレーダ(MP-Xと呼びます)を神奈川県海老名市に設置して、降雨の連続観測を開始しました。 MPレーダシステムは、雲を観測するための2波長高感度レーダ(MP-Ka/Wレーダ)と降水を観測するための3cm波長偏波レーダ(MP-Xレーダ)から構成されています。MP-Xレーダは当初、機動的な観測をおこなうために4トン車に搭載されていましたが、雨の連続観測をおこなうために、2003年に神奈川県海老名市の4階建ての建物の屋上に固定されました。これにより、首都圏における豪雨の発生を常時、監視することが可能になりました。

 参考)  国土交通省のXバンドMPレーダ雨量情報:http://www.river.go.jp/xbandradar/

 ○ マイクロ波レーダー
電磁波を放射し、大気中の雨粒や雪・雹などの結晶によって反射して返ってくる電磁波を分析することで、雨や雪の位置と密度を観測している。
原理的には、波長3〜10cmのパルス状のセンチメートル波を発射し、降水粒子で散乱される電波を受信し、戻るまでの時間などを計測している。降水粒子の半径は1mm程度であり、レーリー散乱によるもので、探知可能距離は数十〜数百km程度。気象庁の標準的な値としては探知範囲は300km程度であり、波長5.7cm、パルス幅2μsのものが利用されている。
障害物があるとその影となる部分の観測がしづらいため、高い山の山頂などに設置されることが多い。1999年まで富士山頂で稼動していた富士山レーダーは最大で800km先まで観測が可能で、台風の観測などに大きな役割を果たした。
設備の規模が大きいため地上にしか設置されていなかったが、1990年代ごろから軽量化と小型化が進み気象衛星にも搭載できるようになった。気象衛星は観測範囲が広く、地上の障害物の影響を受けない利点がある。熱帯降雨観測衛星(TRMM)はマイクロ波レーダーを搭載している。
 ⇒ レーダ(radar)

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