Subject   : DNA損傷の原因

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 DNA損傷の原因
 DNA損傷の原因は、以下のように分類することができる。

DNA損傷の名称 DNAに起きる化学変化の概要 メモ
塩基損傷 DNAを構成する塩基の酸化、あるいは小分子の結合による化学修飾 活性酸素、ラジカル化合物、メチルメタンスルホン酸(MMS)、など
脱塩基 DNA分子の糖と塩基の間の結合が切断され て塩基が失われる DNA分子の不安定さ、酸化損傷の修復過程、など
ピリミジン二量体 2つの連続するピリミジン塩基の間に共有結合を生成 紫外線
一本鎖切断 DNA二重らせんを構成する1本の鎖に切断が生じる DNA切断酵素、電離放射線、DNA損傷の修復過程、など
二本鎖切断 DNA二重らせんを構成する2本の鎖に切断が生じる DNA二重らせんを構成する2本の鎖に切断 DNA切断酵素、電離放射線、高線量の短波紫外線、物理的引っ張り、DNA複製の事故的な停止、など
クロスリンク損傷 DNAの塩基間、あるいはDNA塩基とタンパク質などとの間に共有結合を形成 カンプトテシン(トボイソメラーゼ阻害剤)、マイトマイ シンC (鎖間架橋剤)、アザデオキシシチジン (DNAX チルトランスフェラーゼ阻害剤)、電離放射線など
DNA架橋
(鎖間架橋、鎖内架橋)
DNAの対合した鎖の塩基間、あるいは1本の鎖の塩基間に共有結合が形成される DNA架橋剤(シスプラチン、マイトマイシンCなど)
DNAミスマッチ DNA塩基の対合組み合わせ (AとT、GとC)が、本来と違う組み合わせになる DNAポリメラーゼの複製エラー


<出典:Wikipedia>

 ● 突然変異の原因
 正常な代謝に伴って副生する活性酸素による攻撃といった細胞内に起因するもの。 環境由来のもの。 紫外線照射。 X線、あるいはγ線といった、波長の短い電磁波の照射。 ある種の植物毒素 タバコの煙からの炭化水素など、人造の変異原性物質 癌の化学療法あるいは放射線療法 損傷を受けたDNAの複製により、損傷を受けた側のDNAはこの不正となった塩基の対を"正式に"DNAの中に導入する。この正式に組み込まれた"不正"な塩基対は次の世代の細胞で固定され、変化したDNA配列として永久に保存される。この配列の変化が突然変異の原因である。
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