Subject   : 染色体外DNA(ecDNA)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 染色体外DNA(ecDNA)
 染色体外DNA(Extrachromosomal DNA:ecDNA)とは、細胞の核の内外にある染色体から外れたDNAのことです。個々のゲノムに含まれるDNAのほとんどは、核に含まれる染色体中に存在する。染色体外DNAは複数存在し、重要な生物学的機能を果たすものもあるが、癌などの疾病に関与することもある。

原核生物では、非ウイルス性の染色体外DNAは主にプラスミドに存在するが、真核生物では染色体外DNAは主にオルガネラに存在する 。ミトコンドリアDNAは真核生物におけるこの染色体外DNAの主要な供給源である。 このオルガネラが独自のDNAを持つという事実は、ミトコンドリアが祖先の真核細胞に飲み込まれた細菌細胞として生まれたという仮説を支持している染色体外DNAは、識別と分離が容易なため、複製に関する研究にしばしば用いられる。

染色体外循環DNA(eccDNA)は正常な真核細胞にも存在しますが、染色体外DNA(ecDNA)は、がん細胞の核で同定され、ドライバーがん遺伝子の多くのコピーを運ぶことが示されている別個の存在です ecDNAは、ドライバーがん遺伝子の多くのコピーと非常に攻撃的ながんが生じる遺伝子増幅の主要機構と考えられています。

細胞質内の染色体外DNAは、核DNAとは構造的に異なることが判明しています。細胞質DNAは、核内に存在するDNAよりもメチル化が少ない。また、同一生物において、細胞質DNAの塩基配列が核DNAと異なることが確認され、細胞質DNAが単なる核DNAの断片ではないことが示された。がん細胞において、ecDNAは主に核に隔離されていることが示されている。

細胞内の核外に存在するDNAに加え、ウイルスゲノムによる感染も染色体外DNAの例となる。

<出典:Wikipedia>

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 ⇒ DNA(デオキシリボ核酸)

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