Subject   : 遺伝子検査

カテゴリー  : 学術情報 


 遺伝子検査
遺伝子検査には大きく分けて次の2種類があります。
  ・感染症遺伝子検査(細菌、ウィルス)
  ・ヒト遺伝子検査(遺伝病、造血器腫瘍、固形腫瘍、個人識別)

 遺伝子検査を行う場合、ある特定の遺伝子の塩基配列や発現量を調べるのですが、遺伝子自体は非常に小さく、しかもほんの少量しか存在しません。そのため、遺伝子を10〜100万倍に増やしてから検査する必要があります。この操作法を PCR法といい遺伝子検査で最も重要な方法です。 このような検査をするには、整った設備と高度な技術が必要となります。

 ● 感染症遺伝子検査
 ヒトに感染し、病気を発症する微生物を病原微生物といいます。この病原微生物の種類や量を調べることにより、どのような微生物に感染しているのか、また、さらに詳しく遺伝子を調べることでどのような薬が効くのかが分かります。これらの情報を得ることにより病気の診断や薬の量を決定できるのです。
 遺伝子検査を行う1番のメリットは病原微生物の遺伝子を検出する感度が高く、しかも従来の培養検査(数日)よりはるかに早く(数時間)結果が出ることです。つまり、早期発見、早期治療が可能となります。

 ● ヒト遺伝子検査
 ヒト遺伝子検査はドラマなどでよく目にする親子鑑定や犯人を特定する個人識別などが有名です。このほかにも糖尿病や肥満なども遺伝子が関係しているといわれています。  ここでは、造血器腫瘍の検査についてご説明します。
 造血器腫瘍とは俗に言う血液の癌のことを指しています。代表的な病気では白血病があります。白血病が発症する原因の1つとして異なる2つの遺伝子の入れ替わり(転座)があります。このようにして新たに作られる異常な遺伝子を再構成遺伝子と言います。つまり、ヒト遺伝子検査でこれらの再構成遺伝子が検出されることにより、白血病の種類や治療方法などの詳細が判るのです。
遺伝子検査の材料には、
1.血液やからだの一部から採取された組織片など
2.喀痰や尿などの体外へ排出するもの
3.病理検査に提出されたホルマリン固定された組織や
  パラフィン包埋した組織など
4.その他(髪の毛や精子などがあります)

そしてこれらの血液や組織片などの材料からDNAやRNAを 抽出して遺伝子検査を行っているのです。 つまり、遺伝子検査には遺伝子本体であるDNAを対象に行うもの とDNAの塩基配列を写し取ったタンパク質を作成するために重要な RNAを対象に行う方法があります。

遺伝子検査の目的によって、使用される材料や抽出するDNA、RNA が選ばれ、それぞれに適した遺伝子検査方法が行なわれます。
 ⇒ がん(悪性腫瘍)の遺伝子検査

[メニューへ戻る]  [カテゴリー一覧]  [HOMEへ戻る]  [用語索引]