Subject   : ニュートリノ (Neutrino)

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 ニュートリノ (Neutrino)
ニュートリノ (Neutrino) は、素粒子のうちの中性レプトンの名称。中性微子とも書く。電子ニュートリノ・ミューニュートリノ・タウニュートリノの3種類もしくはそれぞれの反粒子をあわせた6種類あると考えられている。ヴォルフガング・パウリが中性子のβ崩壊でエネルギー保存則と角運動量保存則が成り立つように、その存在仮説を提唱した。「ニュートリノ」の名はβ崩壊の研究を進めたエンリコ・フェルミが名づけた。フレデリック・ライネスらの実験により、その存在が証明された。 ニュートリノは電荷を持たず、のスピンを持つ。また、質量は非常に小さいが、存在することが確認された。

ニュートリノには電子ニュートリノ (νe)、ミューニュートリノ (νμ)、タウニュートリノ (ντ) の3世代とそれぞれの反粒子が存在する。これらは電子、ミュー粒子、タウ粒子と対をなしている。

ニュートリノは電荷を持たず(中性)、1/2のスピンを持つ。

重力相互作用を除き、弱い相互作用のみをする。このため観測は極めて困難だった。

質量を持たないか、あるいは非常に小さい値とされ、どちらであるかはかなり長期間、素粒子物理学界のホットテーマだった。最終的にスーパーカミオカンデによる観測と実験によって、質量を持つことの証明である「ニュートリノ振動」が観測されて決着した。

現在では電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノの3種類のニュートリノが観測されています。物質をほとんど素通りするため、宇宙のはるか彼方や太陽の中心部で発生したニュートリノが、ほとんどそのまま地球にやってきます。太陽からもニュートリノが出ていますが、ニュートリノの数はたいへん多く、1cm2あたり毎秒660億個というものすごい数のニュートリノがいつも私たちの体を通り抜けているのです。物質を素通りするということはニュートリノを観測しようとする装置すら素通りしてしまうということなので、ニュートリノの観測はたいへん困難です。大量の水を蓄えたタンクを用意し、ニュートリノが水分子とごくまれに衝突する時に発せられる光を検出することによってニュートリノが飛んできていることを確認するという方法があります。

 ○ スーパーカミオカンデ
スーパーカミオカンデは、直径39m、高さ41mの巨大な水槽(水5万tが入る)を、他の宇宙線の影響を避けるために地下1,000mに設置したもので、水槽の内部に光電子増倍管を11,200個並べ、ニュートリノが水分子に含まれる陽子や電子をはじき出したときに出るチェレンコフ光を検出するものです。1998年に、宇宙線が大気と衝突して発生する大気ニュートリノを観測して「ニュートリノ振動」とよばれる現象を確認し、ニュートリノに質量があることを実証しました。また、2001年には、太陽からやってくる電子ニュートリノが理論計算値よりも少ないという「太陽ニュートリノ問題」がニュートリノ振動によるものであることを明らかにしました。
 ⇒ 素粒子(クォーク、レプトン)

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