Subject  : 末梢血管疾患の症状

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 末梢血管疾患の症状
末梢血管疾患の症状は、損傷した血管の位置によってさまざまです。症状は、痛み、息切れ、けいれん、筋肉疲労、ふらつき、腫れやむくみ、しびれ(知覚鈍麻)、損傷を受けた部位の皮膚の変色などです。

心疾患の症状には、特徴的な痛み、息切れ、疲労感、心拍が遅かったり速かったり不規則であることに気づく動悸(どうき)、頭がクラクラする、失神、下肢(脚、足首、足)の腫れやむくみなどがあります。しかし、これらの症状が必ずしも心疾患を示すわけではありません。たとえば、胸の痛みは、心疾患よりもむしろ呼吸器系か消化器系の障害の際に多くみられます。

 ● 痛み
筋肉に十分な血液が供給されず、虚血状態にある場合、筋肉は血液中から十分な酸素を取りこむことができません。さらに、組織から血液中に移行すべき老廃物が蓄積します。その結果、けいれんが起こります。
心臓に十分な血液が供給されないと、胸に締めつけられるような圧迫感を感じます(狭心症)。しかし、痛みや不快感の感じ方や位置、その程度は人によって非常に異なります。中には、血液の供給が不十分でも、まったく痛みを感じない人もいます。この病態を無症候性虚血と呼びます。 他の筋肉、特にふくらはぎの筋肉に十分な血液が供給されないと、運動中に圧迫感や疲労感を伴う筋肉の痛みを感じます(跛行[はこう])。
心臓を包む心膜の炎症(心膜炎)では、横になると悪化し、座ったり前かがみになると軽くなる痛みが生じます。運動時に痛みが悪化することはありませんが、深呼吸をすると悪化します。肺を覆う胸膜の炎症(胸膜炎)でも、深呼吸時に痛みがひどくなります。
動脈疾患では、身体活動に関係なく、急激に起きては消える鋭い痛みを感じます。動脈の壁の伸びた部分がふくらんだ動脈瘤や、動脈の壁の層がはがれる動脈解離によって、突然、激しい痛みが生じます。この痛みは損傷した血管の位置によって、首の後ろ、肩甲骨の間、背中の下側、腹部などに感じます。
左心房と左心室の間にある僧帽弁が、左心室の収縮時に左心房の内部へと反転することがあります。この障害は僧帽弁逸脱と呼ばれ、ときに短時間、刺すような痛みや針でつついたような痛みが起こります。普通、この痛みは姿勢や身体活動にかかわらず、左胸の下側に感じます。

 ● 腫れ、むくみ、しびれ、皮膚の色の変化
腫れやむくみ(腫脹)は、組織内に体液がたまる浮腫によって起こります。脚の静脈にたまった血液によって静脈内の圧力が高まり、静脈から組織内へ体液が押し出されてむくみが生じます。心臓が全身から戻ってきた血液をすべて送り出すことができない心不全になったり、脚の深部静脈が詰まる深部静脈血栓症が起こることで、血液がたまります。
脚、足首、足、腹部に生じた腫れやむくみは、心不全か、深部静脈血栓などの血管障害を示す可能性があります。ですが、こういった腫れやむくみは健康な人でも長時間同じ姿勢で立ったり座ったりしているとよく生じることがあり、静脈の加齢による変化によっても生じます。また、妊娠中にも一般的にみられます。肝臓や腎臓の障害でむくみが生じる場合もあります。
血液の供給が不十分であれば、その影響で体の一部にしびれ(知覚鈍麻)を感じることがあります。
血液の供給が不十分だったり、貧血の場合、静脈の流れがスムーズではない場合、皮膚の色が青白くなったり、青色や紫色っぽくなることがあります。
 ⇒ 循環器系の病気

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