Subject   : 生命の起源説

カテゴリー  : 学びの館 > 地学 


 生命の起源説
 生命の起源には様々な説があります。近年では、原始海洋の「熱水噴出孔」から生命が誕生したという説が有力視されています。また宇宙から飛来した隕石にも有機物が含まれており、原始海洋への隕石衝突が生命の起源につながったという根強い説もあります

 ○ 深海熱水周辺の地産地消で生命が誕生したという「JAMSTECモデル」
 2002年には、高井氏らのグループは、JAMSTECが誇る有人潜水船「しんかい6500」【写真3】によって、「インド洋かいれいフィールド」と呼ばれる海嶺(海洋プレートが両側に引っ張られ、海洋底が新たに生み出される場所)を調査し、深海のチムニーで超好熱菌を発見し、その深海熱水環境で太古地球と同様の「ハイパースライム」と呼ばれる生態系が存在することを突き止めていました。

 ○ パンスペルミア仮説(宇宙播種説)
 約40億年前に落ちた隕石によって、生命に必要な有機物などの材料が地球上にもたらされ、それが生命の誕生に繋がったと考える説。1906年にアレニウス氏によって命名されました。隕石の中には、アミノ酸等、多くの有機物が含まれており、
彗星中のチリにもアミノ酸が存在することが根拠の一つとなっています。

 ○ セントラルドグマに関する化学進化説
 1950年代から、DNA、RNA、タンパク質のうち、どれがひな形となったのかが論じられてきました。 即ち、DNAワールド仮説、RNAワールド仮説、プロテインワールド仮説です。

 ○ コアセルベート説(オパーリン)
 1924年、ロシアの生化学者アレクサンドル・オパーリンの発表した説が広く支持されている。 原始の地球で、大気中の成分から合成された非生物的な有機物がいくつも集まり、海中で「液滴」と呼ばれる形態になる。 膜はないものの、袋状の構造をもつ液滴がその後、生命を得て細胞になったという説です。

 彼は生命の発生のために物質進化の4段階が必要であると考えた(1957年)。
 第1段階:炭化水素および簡単な有機化合物の生成
 第2段階:アミノ酸,ヌクレオチド,炭水化物などのより複雑な有機化合物の生成
 第3段階:タンパク質様物質,核酸様物質などの高分子物質の生成
 第4段階:代謝が可能な高分子物質からなる多分子系の生成

 ○ 落雷説
 2016年に米国イリノイ州グレンエリンで落雷が起きたときにできた巨大な「フルグライト(閃電岩・せんでんこう)」について調べていた英国・リーズ大学の研究者は、このフルグライトには異常なほど高濃度のシュライバーサイトが含まれていることを発見しました。フルグライトとは、数億ボルトになるとされる雷の高熱によって砂が溶け、その後すぐに冷えて固まってできる管状の岩石のこと。しかも初期の地球上に存在していたリンは、水には溶けない鉱物の中に含まれていたと考えれますが、シュライバーサイトは水に溶ける性質があり、これが生命誕生の鍵となっていたのではないかと考えた。

 ⇒ 自然淘汰説(natural selection theory)

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