Subject   : メソポーラス

カテゴリー  : 産業・技術 > 材料技術


 メソポーラス
1nm(n〈ナノ〉は10億分の1)から数十nmの大きさの孔(メソポア、meso‐pore)を多数持つ多孔性の材料をメソポーラス材料という。

たくさんの孔を持つために比表面積が極端に大きく、1g当たり1000平方メートルを超えるものもある。触媒、分離材料、エレクトロニクス材料としての機能が期待されている。酸化ケイ素(シリカ)を始めとする無機物質や、種々の高分子を基材とするメソポーラス材料が開発、実用化されている。メソポアの制御が材料合成の上で重要なポイント。界面活性剤はnm単位の集合体を形成し、条件により大きさや形が変化する。これを鋳型としてその周りでメソポーラス材料のモノマー(単量体)を重合させ、孔の大きさを制御する。多数の貫通孔を持つ1mmから1cm程度の大きさをもつモノリス(一本石)は、高分解能のクロマトグラフィーなどに利用

○ メソポーラスシリカ (mesoporous silica)
メソポーラスシリカとは、二酸化ケイ素(シリカ)を材質として、均一で規則的な細孔(メソ孔)を持つ物質のことである。メソポーラスシリカの粉末は、触媒や吸着材料として、薄膜は光学デバイスやガスセンサー、分離膜などとして、新しい応用が期待された研究が行われている。
IUPACでは触媒分野において、直径 2 nm 以下の細孔をマイクロ孔、直径 2?50 nm の細孔をメソ孔、直径 50 nm 以上の細孔をマクロ孔と定義している。
メソポーラスシリカと同様に多孔質物質としてよく知られ、やはり二酸化ケイ素を主な骨格とするゼオライトの細孔径は直径 0.5?2 nm であるのに対し、メソポーラスシリカはそれよりも大きい主に 2?10 nm 程度の細孔径を持つ。そのため、ゼオライトのマイクロ孔には侵入できないタンパク質やDNAなどといった巨大分子を取り込むことができる(物理吸着)。
しかし、ゼオライトの細孔壁は結晶状であるのに対し、メソポーラスシリカの細孔壁はアモルファス状であるため、ゼオライトに比べて耐熱性、耐水性や機械的強度が低く、固体酸性を持たず、ゼオライトほど細孔径分布は均一でない。
 ⇒ ナノテクノロジー(Nanotechnology)

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