バイオインスバイアード材料（Ｂioinspired Materials）

　「バイオインスバイアード材料」とは、生体分子、細胞、またそれらの集合体を含め、生体系を新たな材料開発の発想の源とする材料のことをいう。つまり、生体系から、様々な相互作用、機能、ミクロあるいはマクロな構造を抽出し、新しい材料あるいはシステムに組み込むことを意味している。

　バイオインスパイアード材料は、スーパーバイオシステムの構築領域で新しく提案された言葉である。この領域では、生体を発想の源とする新しい材料の創製を目指しており、 「バイオインスパイアード材料」という言葉が生まれたという。鳥と飛行機の関連性で、飛行機が、「鳥インスパイアード」の結果であるように、生体から発想を得た様々な新しいバイオ材料の創製を目指している。

　生体の持つ機能を人工系に活かすバイオインスパイアードマテリアル、その大きな成果として、分子ナノマシン、動的ナノゲル、などが挙げられる。

◆　応用分野

生体と自在にコミュニケートする分子集合体（ナノマシン） の創製への応用。
酵素の安定化、タンパク質のデリバリー、人工ワクチン開発などへの応用。

○　ナノマシン（Nanomachines)

ナノメータ世界で動作する微小な原子・分子レベルの機械、超小型ロボットのことをナノマシンという。分子もしくは原子一つひとつの部品を使い、意図的に作られた超小型機械で、その構造自体が微小（ナノメータサイズ）であるため、ナノ物質を扱うことが可能である。ナノテクノロジー基盤技術の一つである。

　　（出典）フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

　⇒　ナノテクノロジー（Nanotechnology）