Subject   : フラーレン (fullerene)

カテゴリー  : 産業・技術 > 材料技術


 フラーレン (fullerene)
 フラーレン (fullerene) は多数の炭素原子で構成されるクラスターの総称である。1985年に最初に発見されたのは、炭素原子60個で構成されるサッカーボール状の構造を持ったC60フラーレンである。

 サッカーボール型構造をしているフラーレンは、高い対称性のため非常に安定で、ロケットの速度で壁にぶつけても壊れないと言われている。フラーレンは、ナノチューブと共にナノテクノロジーの代表的な材料として注目を集めている。

 フラーレンの特性は、 @同じ炭素だけからできているグラファイトと比べて、非常に電気を通しにくい、
Aカリウムやルビジウムと一緒になると超伝導性(電気抵抗がゼロ)を示す、
B有機溶媒に溶け赤紫色に着色する、
C金属をケージの中に含む金属フラーレンや、筒状のフラーレン(カーボンナノチューブ)が発見されている、
などが挙げられる。

フラーレンには、金属フラーレン、フラーレンダイマー、フラーレンポリマー、などの多様な種類がある。金属フラーレンは、様々な電子特性を発揮するため、金属・フラーレン複合体の触媒及び新材料構築素子への応用など、広い分野での応用が期待されている。フラーレン光重合ポリマーは光によって重合領域を制御できるため、デバイス作製への応用研究が、金属フラーレンはディーゼルエンジンのNOx低減触媒として、環境浄化への応用研究が進められている。

フラーレンをグラファイトの基板で挟み込むことで、接触面の動摩擦がゼロのナノギアになるという。これは喩えれば、パチンコ玉を敷き詰めた上に板を載せるとよく滑るようなものである。ナノレベルの超潤滑剤や、ナノベアリングとしての応用が期待される。
また、フラーレンを混合したポリウレタン樹脂を表面に塗布したボウリングのボールなどのスポーツ用品、エアコンのオイルなどが実用化されている。

ヒト免疫不全ウイルスは増殖の際にHIVプロテアーゼという酵素を必要とする。この酵素は脂溶性の空隙があり、ここにちょうどフラーレンがはまり込んでその作用を阻害する。このためある種のフラーレン誘導体は抗HIV活性を示し、臨床試験が進行中である。

活性酸素やラジカルを消去する作用により、美肌効果や肌の老化防止効果があるとされており、美容液やローションなどに配合されている。

  (出典)フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 ⇒ ナノテクノロジー(Nanotechnology)

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