Subject   : カーボンナノチューブ(CNT)

カテゴリー  : 産業・技術 > 材料技術


 カーボンナノチューブ(CNT)
 カーボンナノチューブは、炭素原子のみからできた炭素の新物質である。

「カーボンナノチューブ(CNT)」とは、グラファイトのシートがチューブ状に丸まった円筒状の物質で、直径が数ナノメータ、長さは約1μm程度である。CNTには、単層・多層、その太さ、丸まり方(らせん状態)、端の形状などにより、その電気的、機械的、化学的特性などに多様性がある。
 @電気的特性を金属的、半導体的に制御することが可能である、
 A機械的には軽量で、強度が高く、柔軟性にも優れる、
 B化学的には分子修飾やガス吸着などに優れた性質が見られる、
などの特性が挙げられる。 

 CNTを0.3ミリの太さにした場合、1トンの車をつり下げることが可能で、世の中で最も軽くて強い材料と言われており、ナノテクノロジーの中心的材料として、エレクトロニクスやエネルギー分野への応用が大きく期待されている。図2にはCNTの構造と、それを用いた「燃料電池」を示す。1層のみからなる単層CNTは燃料電池、リチウム二次電池負極などの用途に、多層CNTは、FED用エミッタ、超高強度材料、複合材料などの用途に利用されている。

 1991年飯島澄男博士(当時NEC研究所)により、フラーレンの大量合成の研究中になされた。まずMWCNTが、その後1993年にはSWCNTが発見された。
   炭素原料から触媒の存在下、高温条件で合成される。アーク放電法、レーザ蒸発法、化学気相成長法(CVD法)などを利用する。

走査型プローブ顕微鏡(SPM)探針への応用。
電界放出ディスプレイ(FED)用エミッタへの応用により低消費電力化。 
電界効果トランジスタへの応用により集積回路の高密度化。
燃料電池 (水素吸蔵材料)への応用により、燃料電池用水素吸蔵材料の高効率化。
超高強度材料、複合材料への利用。


種類 メモ
SWCNT 単層カーボンナノチューブとは、グラファイトシートが筒状に巻いた形の一層のチューブのことで、直径は、0.5〜5ナノメートル程度です。巻き方によって、導体になったり半導体になったりしする。
DWCNT 二層CNT
MWCNT 多層カーボンナノチューブとは、グラファイトシートが筒状に巻いた形の多層のチューブで、いくつのも単層チューブが、入れ子状態で同心筒状の多層となっているチューブのことである。その直径は、10〜100ナノメートル程度の大きさである。
ナノホーン チューブ形の先端が閉じて牛の角(horn)のような形状となっている


  (出典)フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 ⇒ ナノテクノロジー(Nanotechnology)

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