中国茶

　お茶の発祥地ともいわれ、地域や季節によってさまざまなお茶文化を育んできた中国には、数百種類ともいわれるお茶が存在しています。その分類も、茶葉の色や形、香りなどで分ける方法など、実に多種多様。一般的には、発酵度によって基本的に6つに分類されます。その他にも花茶（緑茶や青茶に茉莉花（ジャスミン）など花の香りをつけた茶）、工芸茶（茶葉の形を加工したりして見る楽しみを加えた茶）、茶外茶などがあります。

○ 緑茶（不発酵茶）

　ほぼすべて釜炒りでつくられ、茶葉は緑色をしています。

龍井茶（ロンジンチャ）、碧螺春（ピロチュン）、緑牡丹（リョクボタン）、黄山毛峰（コウザンモウホウ）

豆、草などを加える場合がある。

○ 白茶（弱発酵茶）

　茶葉が芽吹いて白毛の取れないうちに採取し、発酵度が非常に浅い段階で自然乾燥させたお茶です。福建省で多く生産されます。

銀針白毫（ギンシンハクゴウ）、白牡丹（パイムータン）

くだものなどを加える場合がある。

○ 黄茶（弱後発酵茶）

　荒茶製造工程中に軽度の発酵を行ったお茶です。

君山銀針（クンザンギンシン）、蒙頂黄芽（モウチョウコウガ）

くだものなどを加える場合がある。

○ 青茶（半発酵茶）

　烏龍茶に代表されるお茶です。発酵部分の褐色と不発酵部分の緑色が混じり合って、見た目が青っぽく見えることからこう呼ばれます。大陸産と台湾産があります。

大紅袍（ダイコウホウ）、凍頂烏龍（トウチョウウーロン）、文山包種（ブンザンホウシュ）、鉄観音（テツカンノン）、武夷岩茶（ブイガンチャ）、黄金桂（オウゴンケイ）、水仙（スイセン）、色種（シキシュ）

花、草、くだもの、実、木、薬、乳などを加える場合がある。

○ 紅茶（発酵茶）

　イギリスの紅茶文化を受け、中国で独自に発展したお茶です。代表的な「祁門」は世界三大紅茶のひとつ。緑茶に次いで2番目に多い生産量を誇ります。

祁門（キーモン）、正山小種（ラプサンスーチョン）

くだもの、花などを加える場合がある。

○ 黒茶（後発酵茶）

　完成した茶葉に微生物を植え付け、発酵させたお茶です。長期保存ができる特徴があり、年代物には高い価値が付けられ、ヴィンテージワインのように楽しまれています。。

プアールチャ、六堡茶（ロッポチャ）

くだものなどを加える場合がある。

○ ジャスミン茶

　茶葉とジャスミンの花を何層にも堆積させ、香り付けを行ったお茶です。。

　⇒　お茶の種類と特徴