Subject   : 日銀ネット

カテゴリー : 政治・経済


 日銀ネット
 日本銀行金融ネットワークシステムのこと。金融機関と日銀の間をオンラインで接続し、当座預金の振替などの各種取引を、金融機関側の端末操作によって決済する仕組み。

 1988年10月からまず営業系システムの中の当座預金のオンライン振替がスタート。90年5月からは国債系のネットが開始。決済の効率化、確実性の確保が目的。95年1月の阪神・淡路大震災に匹敵するような大災害が首都圏で起きた場合に備え、大阪支店にバックアップセンターを設置した。2001年1月から即時グロス決済(RTGS)が導入された。06年10月にシステムを刷新し、専用の端末ではなくパソコンを使って資金決済をできるようにした。

● 日銀特融 (special loan by the Bank of Japan)
 日本銀行が経営不安で資金不足に陥りそうな金融機関に対して、無担保で資金を貸す特別融資。
 改正日銀法38条に基づき、首相と財務相の求めに応じて実施する。日銀では特融の条件として、(1)信用秩序の維持に重大な支障が生じる恐れがある、(2)資金供給が必要不可欠である、(3)経営者などの責任を追及してモラルハザードを防ぐ、(4)日銀の財務の健全性を継持できる─という4つの原則を設けている。最近では1997年秋に破たんした北海道拓殖銀行、山一證券など金融機関の破たんのたびに発動された。ただ、2002年4月のペイオフ解禁によって日銀特融も公的資金によって全額保護されなくなったため、回収不能になるリスクが高まった。従来から公的資金による全額保護がない証券会社向けでは、97年に山一證券に対して実施した特融のうち1,111億円が回収不能になった。こうしたことから日銀は4原則の運用を徹底する方針。一方、政府は健全な金融機関であっても風評などで一時的な預金流出が起きる恐れがあるとして、日銀特融の柔軟な実施を求めている。
 ⇒ 金融政策(monetary policy)

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