Subject   : 時間外取引

カテゴリー : 政治・経済


 時間外取引
生命保険会社などの機関投資家による大量売買取引向けに導入した証券取引所の通常の立会時間(平日の午前9時から午後3時まで。ただし、昼休み時間を除く)外における株式売買取引で、大量売買が株価の乱高下をもたらすことから、東京証券取引所(東証)が1998年にそれを回避する目的で導入した制度。

証券取引所自体で開かれる場合、午前9時前・昼休み・午後3時以降の時間帯に、東証のネットワークシステム「ToSTNeT」を利用して行われ、立会時間内の市場取引と同様に取引結果が処理される。時間外取引における株式の取引価格は、直前の市場価格を基準に一定の上下幅の範囲内で決められる。

ただ、経営権取得のために上場企業の株式の「3分の1」超を買い付ける場合は、投資家への透明性を高めるために証券取引法で「株式公開買い付け(TOB)」の実施が義務づけられているが、時間外取引は認められている(TOBの規制対象から外れている)。しかし、経営権取得を目的にした時間外取引が横行すれば市場外での株式公開買い付けが骨抜きにされかねないとの指摘がある。

なお、この時間外取引には、ECN(Electronic Communications Network/電子商取引ネットワーク)などの私設ネットワークで開かれる場合があり、取引時間前に行われる場合をPre Market tradingといい、取引時間後に行われる場合をafter hours tradingという。

● 時間外取引規制(regulation of After hour trading)
  午前9時から11時、午後12時半から3時までの取引時間帯以外の早朝などの時間で行われる売買が時間外取引で、それに対する規制。時間外取引であっても、上場企業の株式の3分の1以上を取得する場合にはTOB規制に基づき、買い付け価格や予定数、期間などを開示する義務が生じるとしている。
 従来の証券取引法では、経営権の異動を伴うような株式取得の場合、
(1)市場内の取引を使う、
(2)市場外で買う場合はTOB(株式公開買い付け)を使う
というのが決まりだった。2005年2月にライブドアがニッポン放送株を、時間外取引で大量に取得した。これがTOB規制の趣旨に反する、との批判が強く出たため、時間外(立会外)取引もTOB規制の対象に加えるべきだとする議論が高まり、この趣旨を盛り込んだ改正証取法が同年6月に成立した。

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