Subject   : 量子井戸レーザーと量子ドットレーザー

カテゴリー  : 半導体 


 量子井戸レーザー
 厚みが1nm程度のGaAsとAlGaAsを交互に積層した人工格子構造は、1次元の量子井戸(QW)を形成する。量子井戸内には離散的なエネルギー準位ができる。 量子井戸レーザは、しきい値電流が低く、しきい値電流の温度依存性が小さい、利得スペクトル幅が狭い、レーザーの偏光度が高い、パルス応答性が優れているなどの特徴をもつ。

 ○ 多重量子井戸半導体レーザ(MQW-LD )
多重井戸構造の採用によって光学的な性質を向上させた半導体レーザ。 (multi-quantum well laser diode )
一般に、個体中における電子の波長と同じ程度の厚さ(10〜100ns)の中に二次的に電子を閉じこめる層状の構造を、単一量子井戸構造という。多重量子井戸構造とは、この単一量子井戸構造を多数重ね合わせた構造である。半導体の中にこのような構造を作って電子の振る舞いを制御することで、半導体の持つ光学的な性質や電子的な性質を向上できる。
 量子ドットレーザー
「量子ドット」をN型/P型半導体の間の層にはさみ、その粒から光がでます。それを「量子ドットレーザー」と呼んでいます。

量子ドットレーザーでは活性層に、量子ドットが縦横に並んだ量子ドットアレイ(quantum dot array)を用いている。量子ドットでは空間的に同じ場所に電子と正孔が閉じ込められるため、一対の正孔と電子が効率よく再結合を行うことが出来る。

特長は、温度による影響の少なさや低消費電力(原理的には従来の半導体レーザーの10分の1)です。 用途は短距離伝送、高速通信などです。
ナノテクノロジーの進展により、10nm(ナノメートル)近くの立体構造の形成が可能になってきた。この構造の中では、電子の波は3次元的に閉じ込めを受け、運動の自由度がなくなる。このような量子ドットを半導体レーザーの発光部(活性層)として用いると、その特性を飛躍的に向上させることができると期待されている。
 ⇒ ガリウム砒素(GaAs)
 ⇒ 半導体レーザー

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