Subject   : 地熱資源(geothermal resource)

カテゴリー  : 産業・技術 


 地熱資源(geothermal resource)
 地下に賦存する天然の熱エネルギーのうち、現在あるいは近い将来に、経済的に抽出・利用し得るもの。その定義範囲が将来の採算性見込みに依存するため、地熱資源量は抽出技術の進歩や競合するエネルギー資源の経済的動向により変動する。

 地熱資源は賦存形態により、マグマ(>650℃)、高温岩体(650〜300℃)、蒸気卓越型(>240℃)、熱水卓越型(高温熱水>150℃、中温熱水150〜90℃、低温熱水90〜50℃)、熱伝導卓越型、深層熱水などに分類されるが、高温岩体やマグマの利用はまだ実験段階にある。現時点で地熱資源といえるものの主体は蒸気、高温〜低温熱水、深層熱水などの地熱流体資源である。これらは地熱発電に利用されているほか、直接利用として地域暖房、融雪、乾燥加工、養殖、グリーンハウス栽培等に利用されている。

 地熱発電の方法には蒸気あるいは熱水をフラッシュして得た蒸気でタービンを駆動する蒸気発電方式、蒸気と熱水の2相流でタービンを駆動するトータルフロー発電方式、やや低温の熱水を低沸点媒体に熱交換しこの媒体をフラッシュさせてタービンを駆動するバイナリーサイクル発電方式などがある。

 最近、米国やスイスなどで普及しているヒートポンプは地下浅所のわずかな地温勾配を冷暖房に利用するものであり、熱伝導卓越型地熱資源の利用例といえる。なお材料製造工程までも含めたさまざまなエネルギー資源の二酸化炭素排出量の比較によれば、地熱資源は最もクリーンなエネルギー資源の一つであり、地球環境問題の観点から利用価値が再認識されつつある。

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 ⇒ 人工衛星(Artificial Satellite)

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