Subject   : 薄膜の膜厚測定方法

カテゴリー  : 産業・技術 


 薄膜の膜厚測定方法
薄膜の膜厚測定方法には、触針式段差計、エリプソメトリー

● 触針式段差計
 最も簡便で測定時間も短く多くの分野での簡易測定に用いられています。しかしながら、高さ方向での急峻な形状の再現性が悪い場合があり、特にパターニングを行った薄膜の膜厚や、多層膜や積層膜などの膜厚の測定では注意が必要です。測定の内容(精度向上やばらつきの低減など)に対応して、探針の先端径には違いがあり、求める分解能の違いに対応する探針を選択する必要があります。
 αステップ、タリステップなどがあります。

● エリプソメトリー
 紫外〜近赤外までの波長範囲での偏光特性を用いて薄膜の膜厚や屈折率などを測定します。入射光(直線偏光)とサンプル表面からの反射光(楕円偏光)の偏光状態の変化をPsiとDeltaという値で検出して、これらの値を用いて評価する試料のバルクあるいは薄膜系で膜構成モデルを作成して、さらにこれらの試料の光学定数に対してモデル関数を用いて、実測されたデータに合うように最適化していきます。多層膜などの測定も可能ですので非常に有効な分析方法ですが、測定値とモデルを用いた計算値とをフィッティングさせるために、以下のサンプルにおいては計算上の留意が必要です。また、微小領域の測定は原理的に困難です。  ・表面や界面の凹凸が膜厚の10%以上におよぶ薄膜 
 ・金属膜のように吸収が大きく感度の高いデータを得にくい薄膜

● 走査型電子顕微鏡(SEM)
薄膜の膜厚測定で最も一般的に行われている評価方法です。撮影された像から直接的に膜厚を計測できるので説得力のある結果を得ることができます。ガラス基板の場合には破断面試料が最も適した試料調整法ですが、このようなガラスの破断面を作製するのには、ガラスに熟知したサンプリング経験とノウハウが必要です。さらに電極材料のような膜構造が複雑なサンプルでは収束イオンビーム加工(FIB)なども用いられます。

● 透過型電子顕微鏡(TEM)
 透過型電子顕微鏡(TEM)は、わずかな膜厚の変動や存在も正確に把握することができ、微細な膜厚変動を調べる場合には必要不可欠な測定方法です。膜厚は数10nm単位で計測でき、さらに薄膜の成長や界面の構造なども詳細に観察することができます。
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