Subject   : 素地研磨技術

カテゴリー  : 産業・技術 


 素地研磨技術
例えば同じ金属や同じめっきでも、素地研磨などの 前処理の方法の違いによって、鏡面仕上げ・光沢仕上げ・ヘアーライン仕上げ ・梨地仕上げなど、仕上がりの視覚的効果が様々に異なってきます。
金物では研磨などの前処理の出来・不出来やその方法の適切・不適切が外観上の製品の価値を左右します。また、研磨は相当な技術を必要としコストに関わってきますから、最終製品の仕上がり効果を考慮に入れた研磨方法を選定することが大切になってきます。

● バフ研磨
 バフ研磨は、何枚も重ねた布製の研磨車に研磨剤を付着させ、それを高速回転させ、製品の表面研磨を行います。めっき前の下地処理やめっき後の艶出しとして用いられます。
 従来、荒研磨・中研磨・仕上げ研磨の三つの段階に分けられましたが、今日では優れた光沢めっき薬品の発達により仕上げ研磨を省略することが多くなりました。このバフ研磨により鏡面仕上げ・光沢仕上げ・ヘアーライン仕上げ・サテーナ仕上げなどの仕上げ効果を得ることが出来ます
● 液体ホーニング
 液体ホーニング(科学梨地)は、腐食性の溶液と研磨剤とを混合したものを、圧縮空気でノズルから高速度で製品表面に吹き付け、仕上げ面を得る方法です。なめらかな梨地状の表面を得るとともに短時間で酸化皮膜を取り除くことができるので、めっきや塗装の下地処理に用いられます。

● バレル研磨
 バレル研磨は、回転バレルの中に研磨剤とともに製品を入れ、回転させながら研磨する方法です。
 バリの除去・荒研磨・中研磨・艶出しなどの処理ができます。  光沢という点では、バレル研磨より劣りますが、大量の部品や小物を処理するのに適しており、非常に経済的です。 また、複雑な曲面を持った製品を変形させること無く容易に研磨できる点も特徴です。

● 電解研磨
 電解研磨は、電気めっきとは逆の作用によって製品の表面の磨きを電気化学的に行う方法です。研磨しようとする製品を陽極として電解液中に吊るして電流を流すと、製品の表面は溶解し陰極に金属が析出して次第に表面が滑らかになり、最終的には鏡面光沢が得られます。
ステンレスや銀製品などではそのまま最終処理として使用され、アルミや鉄などの製品ではアルマイトやめっきの下地処理として用いられます。  欠点としては、素材の加工によって方向性が光沢面に出やすいこと、広い平面物はムラになり易いことなどが挙げられます。

  ⇒ 砥粒と研磨技術

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