Subject   : 位相共役波(phase conjugate wave)

カテゴリー  : 光学 


 位相共役波(phase conjugate wave)
 入射光と全く同じ波面をもち,逆向きに進む波.波を複素表示したときに時間位相の項以外が複素共役になり,となることから名前が付いている.時間tの符号を反転させても同じことになるため,時間反転波とも呼ばれる.三次の非線形光学効果を用いた四光波混合過程によって作り出される.ホログラムを作製したときの参照光と全く逆向きに進行する参照光により再生することによっても作り出せる.全く同じ媒質を往復させると波面が完全に元に戻ることから,波面の歪みの補正に利用される.また1点から出た光波は必ず元の1点に戻るため,レンズを用いない結像にも利用される.

 ○ 位相共役鏡(phase conjugate mirror)
入射した光の波面の空間的に共役な波面をもつ光を位相共役波とよび,位相共役波を発生するデバイスを位相共役鏡とよんでいる.位相共役波は,波面はそのままで時間軸を反転させた光と等価なので,元の光が伝搬してきた経路を忠実に逆行する.光の波面はレンズをはじめとする光学部品を伝搬するうちに歪む.位相共役波は自ら波面の歪みを補償しながら光学部品を遡り光源に忠実に戻る.この位相共役波の性質は位相補償性とよばれる

 ⇒ 非線形光学(NLO)

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