Subject   : DNAの大きさと染色体構造

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 DNAの大きさと染色体構造
 原核細胞と比べると真核細胞のDNAはサイズが大きいため、DNAを核の中に収めるためには秩序だった折りたたみが要求される。細胞周期の間期ではDNAはヌクレオソーム構造をとり、さらにこれが幾重にも折りたたまれて核の中に存在する(これを染色質 chromatinという)。間期の染色質はクロモメアの状態で核に分散して存在する。密にパックされた染色質をヘテロクロマチン(heterochromatin),粗にパックされたものをユウクロマチン(euchromatin)という。前者はセンロロメアやテロメアのような非遺伝子領域や不活性な遺伝子領域を含む領域である。後者は活性な遺伝子領域である。細胞周期のM期では特有な染色体(chromosome)構造をとる。

種々のDNA分子の大きさと形 * kbp=103塩基対
DNAの種類 塩基対, kbp* 長さ(μm) ウィルス粒子中 細胞内
virus
大腸菌ファージfX174
大腸菌ファージl
大腸菌ファージT2
動物ウィルスSV40

5.39(kb)
48.6
166
5.1
1.6
17
55
1.7
環状一本鎖
線状二本鎖
線状二本鎖
環状二本鎖
環状二本鎖
環状
環状
環状
procaryote
大腸菌コリシンE1
大腸菌 F因子
大腸菌染色体
7.0
103
4,000
1,000  
環状
環状
環状
eucaryote
酵母染色体(計17本)
ヒト染色体(計23本)
肺魚(計19本)
ヒトミトコンドリア
ゼニゴケ葉緑体
13,500
2,900,000
102,000,000
16.6
121
4,600
990,000
34,700,000

  線状(17対)
線状(23対)
線状(19対)
環状二本鎖
環状二本鎖

■ 真核細胞の染色体の基本単位(ヌクレオソーム nucleosome)の構造
2本鎖DNAがヒストン8量体の周囲を1.75回転して巻きついている。 ヒストンH1はこのDNA鎖を押さえるとともに、H1同士の会合によって クロマチンファイバー(ソレノイド)を形成するのにも役立っている。

 ⇒ DNA(デオキシリボ核酸)

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