Subject   : FGF(線維芽細胞増殖因子)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 FGF(fibroblast growth factor)
FGF(線維芽細胞増殖因子)は塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)と酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)など、計20種以上のファミリーから成ります。細胞の増殖を亢進させ、血管新生を促す。受容体の変異による先天性の骨形成異常症(頭蓋骨早期癒合症、軟骨形成不全症)が多く知られている。腫瘍で受容体の過剰発現がみられる。

FGFは上皮細胞のみならず、マクロファージからも産生され、創傷時における線維芽細胞増殖や血管新生に関わります。FGF-7は表皮増殖因子であり、表皮で働くが、ほかの上皮細胞でも増殖を促進する。
また、ヘパリンやヘパラン硫酸(HS)はFGFやと結合して複合体を形成することで、FGFレセプターの活性化とシグナル伝達に関与するというが、ヘパリン類似物質のヒルドイドソフトは線維芽細胞の増殖抑制作用をもつことから、ヘパリンはFGFの安定化をはかっている可能性があります。

線維芽細胞の増殖のしすぎは弾力性のない細い血管が産生されたり、コラーゲン異常増殖で皮膚が盛り上がったり、(ケロイド)決していいものではありません。

FGFはフィブラスト(トラフェルミン)という形で製剤化もされているが、真皮の再生に使う製剤が、真皮がなくなりFGF産生細胞がなくなった状態で効果があるのか?というジレンマがある

 ⇒ サイトカイン(生理活性物質)

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