Subject   : 鼻腔と副鼻腔

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 鼻腔(びくう)
鼻の上部は骨で支えられ、下部は軟骨で支えられています。鼻の内側の空間を鼻腔といい、鼻中隔によって左右2つの通り道に分かれています。鼻中隔は骨と軟骨からなり、鼻孔からのどの奥まで伸びています。鼻腔の空気の通り道には、鼻甲介という骨がひだ状に突き出し、鼻腔の表面積を大きくしています。

鼻腔(びこう)(医学用語:びくう)とは、鼻の中の空間のこと。呼気の通り道となる。一般的に思われているより、縦長の空間である。中には、上甲介、中甲介、下甲介という整流板が存在する。機能としては、発声時の共鳴作用、吸気の加湿、加温等があげられる。

鼻腔は血管が密集した粘膜に覆われています。広い表面積とたくさんの血管があるおかげで、鼻は外から入ってくる空気を素早く温め加湿することができます。粘膜の細胞は粘液を分泌し、表面にはうぶ毛のような小突起(線毛)があります。鼻の中に入ってきたほこりの粒子を粘液がとらえると、線毛がそれを鼻孔またはのどの方向へと運び、気道から除去します。この働きで、肺に入る空気はあらかじめきれいにされています。くしゃみは刺激に反応して鼻の通り道を自動的にきれいにする働きで、せきが肺をきれいにするのと同様の働きです。

においを受け取る嗅細胞は線毛をもつ特殊な神経細胞で、鼻腔の上部にあります。嗅細胞の線毛はさまざまな化学物質に反応し、刺激を受けると神経インパルスを生じます。神経インパルスは鼻のすぐ上の頭蓋内にある嗅球の神経細胞へと送られ、嗅神経によって脳に直接伝えられ、においとして認識されます。

 副鼻腔(ふくびくう)
副鼻腔(ふくびくう)とは、鼻腔に隣接した骨内に作られた空洞であり、ヒトでは前頭洞、篩骨洞(しこつどう)、上顎洞(じょうがくどう、蝶形洞の4つがある。

頭部は脳を入れる容器と口腔と鼻腔を形成する部位が一つになったものである。さらに、頭蓋骨の外面は筋肉や角の付着部となっている。これら主に三つの要因で一つの頭部を形成するに当たって、各部品の大きさを揃えるために発生したものが副鼻腔である

副鼻腔も鼻腔と同様に、線毛をもち粘液を分泌する細胞でできた粘膜で覆われています。副鼻腔にほこりの粒子が入ると粘液にとらえられ、線毛の働きで、副鼻腔口という小さな穴から鼻腔へ運ばれます。これらの穴は非常に狭いため、かぜやアレルギーなどで粘膜が腫れるとすぐに詰まってしまいます。副鼻腔から正常に排液できなくなると、副鼻腔の炎症や感染が生じます(副鼻腔炎)。
 ⇒ 鼻の異常と病気

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]