Subject  : 人の歯

カテゴリー: 役立つ情報 / 健康・医療情報 


 人の歯
人は、自分の歯を2組、つまり、幼児の歯(乳歯)と大人の歯(永久歯)をもっています。乳歯は20本で、上あごと下あごのそれぞれに1対の中切歯、側切歯、犬歯、第1乳臼歯、第2乳臼歯が生えます。一方、永久歯は32本で、上あごと下あごのそれぞれに1対の中切歯、側切歯、犬歯、第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯、第3大臼歯(智歯/親知らず)が生えます。ただし、親知らずは、だれにでも必ず4本すべてが生えてくるわけではなく、まったく口内に生え出してこない人もいます。親知らずは最後に生えてくる永久歯で、通常は17〜21歳の間に生えてきます。

歯が、歯肉組織から生え出してくることを萌出(ほうしゅつ)といい、その時期には幅があります。生後最初に生えるのは乳歯の中切歯で、生後6カ月ころに生えてきます。続いて側切歯、第1乳臼歯、犬歯、最後に第2乳臼歯の順で生えてきて、2歳半ころまでには乳歯がすべて生えそろいます。これらの乳歯は6歳ころから永久歯と生え替わりはじめます。6歳ころに永久歯の第1大臼歯が、最後に生えた第2乳臼歯のすぐ後ろに生え、そのまま二度と生え替わりません。同様に、永久歯の第2大臼歯と第3大臼歯も生え替わることはありません。
まれに生まれつき歯が生えていたり(出産歯)、生後1カ月以内に乳歯(新生児歯)が生えてきたりすることがあります。これらの歯はほとんどが下あごの乳切歯ですが、余分の歯(過剰歯)なので、授乳の妨げになったり、ひどくぐらついていてのどに詰まるおそれがある場合には取り除かれます。
下あごの切歯の永久歯が、ちょうどブドウの房のように互いの後ろに生えてくる子供がたくさんいます。歯が混み合って生えてきてスペースが足りない場合や、永久歯がねじれて生えた場合には、トラブルの原因になるため早期の矯正治療(ブレース)が必要です。親指などの指しゃぶりも歯並びに悪影響を及ぼすため、早期に矯正治療が必要になる場合があります。

歯は、歯肉線より上部の歯冠と、歯肉線よりも下部の歯根に分かれます。歯冠は、歯を保護している白く輝くエナメル質で覆われています。エナメル質は体の中で最も硬い組織ですが、損傷した場合には自己修復能力がほとんどありません。エナメル質の下には、骨よりも硬い骨状の象牙質があります。この象牙質は、歯の中心にある血管、神経、結合組織を含む歯髄腔を取り囲んでいます。
血管と神経は、象牙質に囲まれた根管を通って歯髄腔の髄室に入ります。歯根部では、象牙質はセメント質と呼ばれる薄い骨状組織に覆われています。このセメント質は、歯を衝撃から守る役目をしているセメント質層に付着した膜、歯根膜に囲まれています。この構造によって歯はしっかりとあごに固定されています。
 ⇒ むし歯(う蝕)

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