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 食物繊維
ほかの栄養素のように消化・吸収はされませんが、保水性が高く、 水を含むとふくらむ性質があります。この性質により大腸の運動や 有害物質の排泄などが促されます。そのため不足すると、便秘や 大腸がん などの原因につながります。 食物繊維は、腸管内で胆汁酸やコレステロールを吸着して便中に排泄する ので、腸管からの吸収を抑える働きがあるとされています。 また、食塩のナトリウムを排泄したり、 糖分の吸収速度をゆるやかにする効果があります。
しかし、精製した食物繊維などを大量にとると、カルシウムなど大切なミネラル までも吸着し排泄してしまう恐れもあります。
種類は、水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性 食物繊維があります。
● 水溶性食物繊維
水に溶けやすい水溶性です。水に溶けると著しく粘性が生じます。
炭水化物は消化によってグルコースとなり、吸収されたのち 血液中に運ばれます。 食べ過ぎなどで血中のグルコース量が多くなると、血糖は増えます。 これが血糖値の上昇です。このことは糖尿病の原因ともなりますが、 水溶性食物繊維は粘性があるため、炭水化物が消化されてグルコースと なるまでの速度を遅くする作用があります。 そのためゆっくりとグルコースが吸収され、血中のグルコースが 多量になるといった血糖値の上昇が抑えられます。

食物繊維は消化も吸収もされず、そのまま排出されます。 しかし体内を通過して排出されるまでに、水溶性食物繊維の粘性が 悪玉コレステロール(LDL)などを吸着してくれます。 これにより悪玉コレステロールが過剰に体内に吸収されなくなるので、 高脂血症や動脈硬化などの生活習慣病が起こりにくくなります。

大腸の中には善玉菌と悪玉菌が住んでおり、善玉菌より悪玉菌の 方が優勢になると大腸がんなどの原因となります。 しかし水溶性食物繊維は善玉菌のエサとなるため、善玉菌を増やし 大腸の病気を防ぐ働きがあります。

種類 メモ
ペクチン 野菜、果物
グルコマンナン 山芋、こんにゃく
アルギン酸 昆布、わかめ

キウイ、バナナなどにも多く含まれています。
● 不溶性食物繊維
水に溶けにくい不溶性です。保水性が高く、水を含むとふくらむ 性質があります。
不溶性食物繊維は保水性が高く、大腸内で水分を含むと数倍から 数十倍にふくらみます。これにより便の体積が増え、また柔らかく なり、大腸の運動が活発になって便がスムーズに排出されるように なります。
大腸内を通過するときに食品添加物や農薬、発癌物質などの 有害物質を吸着し、一緒に排泄する働きもあります。

種類 メモ
セルロース 穀類、野菜
ヘミセルロース 穀類、豆類
キチン・キトサン カニ殻、えび
寒天 寒天
リグニン ココア、野菜、豆

 ⇒ 便秘に効果があると言われる食品成分

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