Subject   : インダクタ(inductor)

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 インダクタ(inductor)
インダクタンスを利用するために電線を巻いた受動素子である。電磁誘導による磁力線を利用するため電線を巻いたものは巻線と呼ばれる。

インダクタンス(inductance)は、巻線などにおいて電流の変化が誘導起電力となって現れる性質である。誘導係数、誘導子とも言う。

交流回路において抵抗として機能する受動部品。言い換えれば、交流電流を流れにくくする受動部品であり、その流れにくさを表すのがインダクタンス(L)である。単位は H(ヘンリー)である。インダクタのほかに、コイルやチョークと呼ばれることもある。

インダクタは用途によって、信号用や高周波用、電源用などに大別できる。信号用のインダクタは、コンデンサや抵抗とともにフィルタ回路として使われる。高周波用の役割は、インピーダンス整合(マッチング)である。例えば、ラジオ・チューナー回路などに搭載されている、銅線を円筒状に巻いただけの空芯コイルがそれだ。電源用のインダクタの役割は大きく 2 つある。1 つは平滑、もう 1 つは電力変換(エネルギーの蓄積)の役割である。通常、DC/DC コンバータにおいては、スイッチング素子の後段に挿入されている

代表的なインダクタの種類を以下の表に示す。

種類 メモ
空芯コイル 電線をバネ形状に巻いたコイルです。芯には何も入れないか、非磁性体が用いられます。高周波回路等に多く使われます。
コア・コイル 棒状、E字型、太鼓型などのコアに電線を巻いたコイルです。コアの材質としては磁性体であるフェライトが多く用いられます。
トロイダル・コイル トロイダルとは円環状のといった意味で、ドーナッツ型のフェライトに電線を巻き付けた構造をしています。漏れ磁束が少なくインダクダンスが安定しており、高周波回路に多く使われます。
積層コイル フェライトやセラミック材料の薄いシートに、導体金属を印刷し何層も重ね、層間はビアで接続する構造をしています。小型でも高インダクタンスを実現しています。
フェライト・ビーズ 筒状のフェライトにリード線を通したものです。EMC対策に使われます。高い周波数に対して有効です。

 ⇒ アナログ変調方式

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