Subject   : 地図の図法

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 地図の図法
 

 ○ メルカトール円柱図法(Mercator cylindrical projection)
 メルカトールが1569年に世界図に使用した等角円柱図法。海図は、この図法を用いるのが一般的である。また、航空図や気象図にも用いられている。ただし、高緯度になると、投影の歪みが大きくなり、世界地図などでは、距離や面積について間違った認識を与えやすい。また、極ではこの歪みが無限大となるため投影はできない。
 等角図法であるため、地球上と地図上の対応する角が等しくなっている。このため、地球上の同航線(等角航路:経線と一定の角度で交わりながら極に収束する線)が地図上で直線に投影されるため、地図上で出発点と目的地を直線で結べば、その直線が同航線となり、経線との角度が地球上の角度と等しくなる。したがって、船舶等がその進路をこの同航線と経線がなす角に等しくとれば、確実に目的地に到達できる。このため、これまで航海用に海図の図法としてよく用いられている。

 ○ ランベルト等角円錐図法(Lambert conformal conic projection)
 ランベルトが1772年に発表した図法。米国のDMAが発行する1/100万の航空図であるOperational Navigation Chartをはじめ、アトラスや国土地理院の1/50万、1/100万、1/300万などの小縮尺の地図によく用いられている。

 地球に円錐をかぶせ、地球表面を円錐に等角投影したのち円錐を平面に展開する。この図法によって投影された緯線は円錐の頂点を中心とする同心円となり、経線は円錐の頂点から放射する直線となる。円錐を地球にかぶせる際の標準緯線は1本と2本の場合があるが、2本の場合の方が一般的である。標準緯線上では長さは正確に投影されるが、標準緯線が2本の場合はその内側では標準緯線から離れるほど実際より小さく投影され、外側では標準緯線から離れるほど大きくなる。

 標準緯線が2本で正軸投影の場合、標準緯線の位置は図幅の範囲内での歪みが最小になるよう、図化区域の北限と南限の緯度差の1/6だけ内側の所にすればよい。
 ⇒ 活断層(active fault)

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