Subject   : 変成岩(metamorphic rock)

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 変成岩(metamorphic rock)
 岩石が地下深部において完全に溶融することなく、全体としては固相状態で外因的要因により鉱物、化学組成、岩石構造が変化した岩石をいう。  既存の岩石が生成時と異なる物理・化学条件にさらされると、新しい環境下で安定な組成に変化する。このような現象のうち、地下深部で生じるものを変成作用と呼ぶ。堆積物が固化する際にも鉱物組成の変化が生じるが(続成作用)、これは比較的地下浅所で比較的低温・低圧下で生じるものであり、変成作用とは区別する。  一般に変成作用は広域、接触及び動力の3つの変成作用に分類し、それぞれの変成作用で生成された岩石を広域変成岩、接触変成岩及び動力変成岩と呼ぶ。  広域変成岩は、既存の岩石や堆積物が地下深所にもたらされ生成したものである。片状組織を特徴とする。  接触変成岩は熱変成岩とも呼び、多くの場合花崗岩類の貫入に伴い周辺の岩石に変化を与えて生成したものである。接触部近傍では、既存の岩石は再結晶化が進み、塊状の組織を呈するホルンフェルスが生成する。外縁部では、再結晶が充分進まず、原岩が泥質岩の場合では粘板岩が生成する。

 ○ 変質帯 alteration zone
  岩石の本来の鉱物組成が後生的に変化する現象(変質)のうち、熱水作用による局部的な変化が生じている範囲を指す。熱水により付加される元素に応じて石英、緑泥石、カリ長石、黄鉄鉱、粘土鉱物等の二次鉱物が形成される。  火成熱水活動に伴い熱水性鉱床が形成される際、その周囲の既存の岩石が変質を受けて変質帯を形成する事が多く、この場合岩石中に生じる変質鉱物は中心部(鉱床近傍)から縁辺部に向けて変化する。変質鉱物の多くは可視短波長赤外域領域に特徴的なスペクトル吸収帯を持つので、リモートセンシングにより地表変質帯を抽出しそのタイプを識別する事ができる。
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