Subject   : イオン結合(Ionic bond)

カテゴリー  : 学びの館 > 化学 


 イオン結合(Ionic bond)
金属元素と非金属元素の組み合わせは、イオン結合となる。 塩化ナトリウム(NaCl、いわゆる塩、岩塩)で代表される、陽イオン(e+ この場合Na+)、 陰イオン(e- この場合Cl-)同士の静電引力による結合。 共有結合と対比され、電気陰性度の高い方の原子に 電子が局在化したような分極した結合である。
この結合によって形成される結晶がイオン結晶である。イオン結合には方向性が少なく、静電引力が最適化されるように、最密充填のような密な構造をとりやすい。一般にこの結合は金属陽イオンと非金属の陰イオンとの間で起こるが、塩化アンモニウムなど、非金属の多原子イオンが陽イオンの場合は例外である。イオン結合によってできた物質は組成式で表される。
この結合は原子や原子団間での最外殻電子の収受によって生じる。それぞれのイオンの電荷を打ち消しあう割合で結合する。

● イオン結晶
硬くてもろい。(共有結晶が一番硬い)
イオン結晶の電子分布は陽イオン原子に幾分大きな電子密度、陰イオンに幾分小さな電子密度が期待される(電子移動)
イオン結晶は高融点をもつ(大きな電子対破壊エネルギー)。
水溶媒中にイオン結晶を入れた場合、水は正電荷領域をもつ未占有軌道を持ちますので、陽イオンへ流れる電子を横取りできます。したがってイオン結晶は水に溶けます。

● 格子エネルギー
イオン結晶のイオン間の結合エネルギーは格子エネルギーとよばれ,1molの結晶 をばらばらの構成イオンにするとき必要なエネルギーで表される。  格子エネルギーの大きさは,当然,結晶の融点に関係する。
イオン結晶の溶解熱は,その結晶の格子エネルギーとイオンの水和熱の差として, 大まかな値を知ることができる。
化合物 イオン イオン半径
(×10-1nm)
中心間距離
(×10-1nm)
格子エネルギー 融点(℃)
NaCl Na+
Cl-
1.16
1.67
2.82 771 801
KCl K+
Cl-
1.52
1.67
3.15 701 770
NaI Na+
I-
1.16
2.06
3.24 697 651
MgO Mg2+
O2-
0.86
1.26
2.11 3760 2826
CaO Ca2+
O2-
1.14
1.26
2.41 3371 2572
BaO Ba+
O2-
1.49
1.26
2.76 3019 1918


 ⇒ 化学結合

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