Subject   : 硬さ

カテゴリー  : 学びの館 > 化学、材料 


 硬さ
硬さ(Hardness、硬度とも言う):物質、材料の特に表面または表面近傍の機械的性質の一つ。工業的には、硬さ試験法は、比較的簡単に行える試験法なので、例えば鋼製品の熱処理結果の管理などに用いられる。

硬さの概念は、それを数値化して表現しようとする場合、定義の仕方により様々な値を取り得る。 硬さ試験に多くの方法があるのは、利用しようとする実用材料、たとえば金属、セラミック、ゴムなどの材料特性により、微小な変形を与える力に対する挙動がそれぞれ異なり、また硬さ試験によって代用的に評価しようとする材料の性能項目が異なるために、実用目的のためにいろいろな測定法が開発されたせいだと思われる。
金属では一定荷重を加えてできる圧痕(くぼみ)の、面積または深さから変形のしにくさ(硬さ)を評価する押し込み硬さ試験法が多く用いられる。加える荷重、圧痕をつける圧子先端の形状、硬さ値の計算方法が、それぞれ定義されている。
ゴムでは一定荷重を加えた時の変形量を硬さ値にする硬さ測定法が多く用いられている。
 ○ ビッカース(Vickers)硬さ(←最も広く普及)
 ○ ブリネル(Brinell)硬さ
 ○ ロックウェル(Rockwell)硬さ
 ○ ショア(Shore)硬さ

 ○ モース硬さ(←主に鉱物が対象)

 ○ ヤング率(縦弾性係数)
 ○ 剛性率


■ 押込み硬さ
試験法名 圧子形状 硬さ算出法 メモ
ブリネル硬さ
一般に10mm
を使用
圧痕表面積で試験荷重をわって算出 HB
ビッカース硬さ 4角錐
頂角136度
圧痕表面積で試験荷重をわって算出 Hv
ヌープ硬さ 4角錐
頂角172.5度
対角線長比
1:7.11
圧痕表面積で試験荷重をわって算出 Hk
ロックウェル硬さ 頂角120°円錐
(先端0.3mm)
または鋼球(φ1.5875mm)
試験荷重を加えた後
基準荷重に戻した時の
くぼみの深さの差h
*=100-500h(HA,HD,HC)
圧子・荷重によりいろいろなスケールがある。
スーパーフィシャル硬さ 頂角120°円錐
(先端0.3mm)
または鋼球(φ1.5875mm)
試験荷重を加えた後
基準荷重に戻した時の
くぼみの深さの差h
*=100-1000h
ロックウェルより低試験荷重
マイヤ硬さ
測定荷重を圧子投影面積でわる。
=W/A
Hvなどの算出が圧子接触面積で
割るのに比して物理的意味が高いとされている。
ジュロメータ硬さ 頂角35°
円錐
圧子の押し込み深さ
822gで押し込み深さ0を100
押し込み深さ2.54mmで0
樹脂用硬さ計。
バーコール硬さ 頂角26°
円錐
圧子の押し込み深さ
樹脂用硬さ計。
モノトロン硬さ 0.75mm
球形圧子
圧子の押し込み深さ0.0457mmになる時の荷重
樹脂用硬さ計。

■ ヒッカキ硬さ
マルテンス硬さといいます。
対面角90° ピラミッド
0.01mm巾のヒッカキ巾の荷重
■ ショア硬さ(Hs)
反発硬さのこと。 鋼球を一定の高さから材料表面に落下させはね返った高さから硬さを算出する方法。  焼き入れ鋼に鋼球を落下させた時のはね返り高さを基準とした相対値で表され、  全変形量に対する弾性回復量の比率の指標になる。

 ⇒ 熱力学で用いられる単位

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]