Subject   : メモリの基礎

カテゴリー  : パソコン

 半導体メモリの種類
半導体素子によってデータを記憶する半導体メモリにはいくつかの種類があります。 電源を切るとデータが失われてしまう揮発性メモリと、電源を切っても データは保持されるが書き換えが行えない、不揮発性メモリがあります。 揮発性メモリはデータの読み出しと書き込みができるので、 RAM(Random Access Memory)と呼ばれます。また、不揮発性メモリ は、データの読み出ししかできないので、ROM(Read Only Memory)と 呼ばれます。
また、ROMには、チップの製造時に記憶内容をパターンの中に組み込んでしまうMROMと、 ROMの製造後にデータを書き込める「PROM (Programmable Read Only Memory)」 と、繰り返し書き込みの行なえる「EPROM (Erasable Programmable Read Only Memory)」 などがあります。 さらに、ブロック単位の部分的な消去/書き込みを行なえるようにして、RAMのような 使い勝手を実現したものをフラッシュメモリと呼んでいます。

 RAM(Random Access Memory)
RAM(ラム)とは「ランダムアクセスメモリ」を略したもの で、アドレスを指定すれば好みのデータを自由に取り出すことができるメモリです。 代表的なものに「DRAM(ディーラム)」と「SRAM(エスラム)」 があります。

 ● DRAM (Dynamic RAM)
半導体メモリが"0"、"1"の情報を蓄える部分を「メモリセル」といいます。 DRAMのメモリセルは、ワード線とビット線(デジット線)が縦横に格子状に はしっており、その交差点に配置されています。このメモリセルは、 1個の選択トランジスタ(NMOSトランジスタ)とこれに直列配置された コンデンサ(キャパシタ)からなっています。
1ビットを記憶するための半導体素子の数が少ないことから、1個のチップで 大きな記憶容量を実現できるという利点があります。一方で、コンデンサは、 時間の経過とともに自然放電するので、定期的に情報を再書き込みをする リフレッシュ動作(プリチャージ)が必要になります。これが、 DRAMの「dynamic(動的)」の名前の由来になっています。
DRAMは大容量で安価な特徴を活かして、パソコンや周辺機器などの メインメモリ、グラフィックスカードのビデオメモリ、 ハードディスクドライブのバッファメモリなどに採用されています。
コンピュータのメインメモリに使われる SDRAM(Synchronous DRAM)は 外部バスインターフェースが一定周期のクロック信号に同期して 動作するよう改良されたDRAMです。

 ● SRAM (Static RAM)
SRAM (エスラム)の記憶セルは、4〜6個のトランジスタ からなるフリップフロップ回路(相安定回路)によって構成されています。 ですから、DRAMよりもビットあたりのコストがかかりますが、 処理速度の速さなどからCPUとDRAMの間をつなぎシステム全体の高速化・ 効率化を図るための キャッシュメモリなどに利用されている。
 また、DRAMはデータ保持のために一定期間ごとにリフレッシュ動作が 必要だったのに対し、SRAMはフリップフロップ回路を 採用しているため、電源が入っている限り、リフレッシュなしで データを静的(static)に保持することができる。

 ● EEPROM (Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)
基本的には不揮発性メモリのROMで、電源を切ってもデータは保持されますが、 電気的に1バイトごとに書きこみや消去ができる半導体メモリです。 書き換え速度は遅いですが、BIOS用のROMとか、外で持ち運びできるメモリ カードとして使われています。
EEPROMの基本構造は「FLOTOX(FLOating gate Tunnel OXide)」と呼ばれるもので、 FLOTOXセルはスタックド・ゲート型メモリセルトランジスタと、これに直列接続 された選択トランジスタで構成されています。 メモリセルトランジスタのゲート酸化膜は、ドレイン領域上で局所的に 薄くなっている。この部分を「トンネルSiO2膜」と呼んでいます。

 ROM(Read Only Memory)
 ● MROM(マスクROM)
ウエハーを製造する段階で、記憶内容を書き込んでしまっています。 しかもMROMは一度作ってしまうと、物理構な変化でデータを記憶させているために、 記憶内容を変更させることはできません。 そのためMROMは、固定的に使用するデータを記憶する場合に利用されます。

 ● PROM(Programmable Read Only Memory)
ROMの製造後に高電圧をかけてデータを書き込ませることができます。

 ● EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)
紫外線の照射によりデータの一括消去が可能なPROMです。 紫外線を照射できるようにEPROMには石英などからなる窓がついています。



[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]