Subject   : ルーティング・プロトコル

カテゴリー  : インターネット・通信 


 ルーティング・プロトコル
インターネットを構成するルーティング・プロトコルは、 「IGP(Interior Gateway Protocol)」と 「EGP(Exterior Gateway Protocol)」 という2つに大別することができます。インターネットを1つの巨大な IPネットワークととらえた場合、現在のインターネットは複数の AS(Autonomous System:自律システム)の集合体ということができます。 ASとは、同じルーティング・ポリシーの下で動作するルータの集合体の ことであり、各ASでは独自の規則やポリシーを持っています。 このASの内部ルーティングに使用されるルーティング・プロトコルが 「IGP」と呼ばれ、「RIP」「OSPF」「IS-IS」 「IGRP/EIGRP(Cisco Systems社独自のプロトコル)」などの プロトコルがあります。
また、AS間でのルーティングに使用されるルーティング・ プロトコルが「EGP」と呼ばれています。今では 「BGP-4(バージョン4)」がインターネットのAS間ルーティングに おける標準となっています。
● RIP(Routing Information Protocol
古くから使用されているプロトコルで、UDPのブロードキャスト・ データ・パケットを用いて、経路情報を隣接ルータにアナウンスします。 この中には、「メトリック」と呼ばれるあて先ネットワークまでの ディスタンスを表す情報(ルータのホップ数)が含まれており、 ルータを超えるごとに1つずつ加算されます。RIPは、このメトリックを 利用してネットワーク・トポロジを把握するため、 「ディスタンス・ベクタ・アルゴリズム」に基づいたルーティング・ プロトコルと呼ばれています。 RIPは最大メトリックは15となっており、これを超えた場合は到達不能と 見なされます。RIPでは、これらのすべての経路情報を30秒周期で 隣接ルータにアナウンスすることにより、情報の更新を行います。 そのために、比較的小規模なネットワークに適しています。
また、中規模以上のネットワークには、OSPF、IS-IS、EIGRPなどが より適しています。具体的には、企業ネットワークにおいては、 RIP、OSPF、EIGRPなどが採用され、キャリアやサービス・プロバイダ などのネットワークにおいては、OSPFまたはIS-ISが採用されている ことが多いようです。
● OSPF(Open Shortest Path First)
IETFのOSPFワーキング・グループで開発されたIP専用のプロトコルです。 OSPFでは、各ルータが「リンクステート」と呼ばれる情報要素を作成し、 IPマルチキャストを用いてほかの全OSPFルータに配信します。 これを受信したルータは、このリンクステート情報に基づき、 ほかのルータがどこに存在し、どのように接続されているのか というLSDBを作成し、ネットワーク・トポロジを把握します。 このため、OSPFは「リンクステート・アルゴリズム」に基づいた ルーティング・プロトコルと呼ばれています。
 OSPFでは、コスト値(主にインターフェイスの帯域幅により決定)の 低い経路情報が最適経路として使用されます。 また、一度リンクステート情報が交換されると、この情報に更新が ない場合は、基本的にはHelloパケットによる生存確認のみを行います。 そして、更新があった場合には、その差分情報だけを交換します。 収束速度は速いですが、実装が難しいそうです。

   ⇒ インターネットのしくみ

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