Subject  : 身近にいるダニと被害

カテゴリー: 生活情報


 身近にいるダニと被害
 私たちの身の回りには,多くのダニが生息しています。その中でも,ぜん息の原因となるダニ,人を刺すダニ,初夏にコンクリート製住宅の周辺で目にすることが多い赤いダニなどについて説明します

● ヒョウヒダニ(体長:約0.3mm) 、イエササラダニ(体長:約0.3mm) 、コナダニ(体長:約0.3mm)
家の中から検出されることが多いダニです。 床、カーペット、畳、ふとんなど、どこの住宅からも普通に検出されるダニです 。床に落ちた食事の食べこぼし、人体から自然に発生したフケや垢、室内にたまったホコリやカビなどを餌にしていると思われます。
ケナガコナダニは、“動く白い粉”が部屋中に広がるという「ダニ騒動」が起こることがあります。 台所の食品のほか、とくに畳の芯のわらに大発生したケナガコナダニが畳の表面、食器棚の表面をおおってしまう状態になることがあります。

ヒョウヒダニの生体、死骸、糞などを吸引することにより、アレルギー疾患(小児ぜん息など)の原因になることがあります。皮膚を刺したり、血を吸うことはないと考えられています。

● ツメダニ(体長:約0.5〜0.8mm)
黄褐色〜茶褐色をしています。
他のダニやチャタテムシなどの体液を吸っているダニです。  家の中にヒョウヒダニ、コナダニ、イエササラダニ、チャタテムシなどの数が増えると、それを餌にするツメダニも増えることがあります。

症状は身体(非露出部が中心)に赤いブツブツが出来てかゆくなります。 刺されたときは気がつきませんが、刺されると8〜48時間後に赤く腫れて、かゆみが起きます。かゆみは、1週間ほどつづき、あとがしばらく残ります。 人に依って真っ赤に大きく腫れてとても痒い人と刺されても刺し跡だけで全然痒くない人まで反応は様々です。引越・押入れのかたずけなどが原因で発症することがあります。

● イエダニ
通常はネズミなどの小動物にに寄生しています。偶発的に人から吸血することがあります。人に寄生しても長くは生きられず3〜4日で死亡するといわれています。対策はネズミの駆除・小鳥/ニワトリの治療

イエダニの被害は、ネズミが屋内に生息しているとき、特にネズミが死んだときや巣 を捨てたときに発生し、人を吸血します。 皮膚の柔らかい腹部や太ももから好んで吸血 し、刺されたところは赤くただれ、かゆみが続き、跡が残ります。ツメダニの被害が、夏に集中するのに対して、イエダニは年間を通じて被害を発生さ せます。

● 赤色をしたタカラダニ
屋外性のダニで大きさ1〜2mmとダニの中では大型です.色は鮮明な朱赤色で、大量発生するため、良く目立ちます。
初夏の一時期に、コンクリート製住宅の周辺で目にすることが多いダニです。人を刺したり血を吸ったりすることはないようです。
生活様式など、詳しいことはよくわかっておらず、人体への被害も特に報告されていません。フェニトロチオンやダイアジノンなどの乳剤を、噴霧すれば駆除できます。

● マダニ
山林や藪などに生息し、近づいた動物や人に寄生し吸血します。7月〜10月が多い時で、山林などに入った時に知らないうちに皮膚につくことあります。
マダニは血を吸う時、唾液の中にかゆさや痛みを抑える物質が含まれているため、付着していることに気づかないことが多く、長時間にわたり体について吸血します。そのため、変なイボができたと思うようなことが多いようです。

直接の被害は、皮ふが赤くはれて、ひどいかゆみを起こすことです。 マダニによる伝染病の媒介は、わが国では紅斑病(リケッチア)、 野兎病(細菌)ライム病(スピロヘータ)などが良く知られています。
被害にあったときは、あわてて引き抜こうとすると危険です。応急処置として食いついた周辺部を消毒薬で洗っておきます。

● ヒゼンダニ(体長は約0.2〜0.4mm)
山林や藪などに生息し、近づいた動物や人に寄生し吸血します。7月〜10月が多い時で、山林などに入った時に知らないうちに皮膚につくことあります。
人に疥癬(かいせん)を起こすダニで、脚は短く、体はほぼ円形です。
受精した雌は、皮内にトンネルを掘り、毎日2〜3個の卵を産みます。産卵すると さらにトンネルを掘り進み、約2ヵ月にわたって産卵し、通常生涯をトンネル内で過 ごします。幼虫は、産卵後3〜4日でふ化し、トンネルから出で皮膚の表面を歩き回 り、毛包内に入り込みます。幼虫は、若虫を経て2〜3週間で成虫になります。
ヒゼンダニ自体は、人の体表を離れても2〜3日は生存します。
患者との接触や、衣類や寝具を介して伝染し、ヒゼンダニが侵入した皮膚は、激しいか ゆみが起こります。また、かくことによって、細菌感染や炎症を起こすことがあります。
手指の股、肘の内側、わきの下、乳房の下、陰部などに寄生し、感染してから症状があ らわれるまで約1ヵ月かかります。
ネコなどのペットからのヒゼンダニによる被害もあります。
患者との接触をさけ、衣類や寝具を共用しないようにして感染を予防します。
ヒゼンダニによる疥癬の診断は、他の虫さされや湿疹などとの区別が難しいので、皮膚 科の専門医の診断と治療が必要です。かゆいからといって市販のかゆみ止めを使うと、 場合によっては悪化することがあります。 症状に応じてクロタミトン軟膏、硫黄入り軟膏、安息香酸ベンジルなどが使われます。

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