Subject  : エルニーニョ現象とラニーニャ現象

カテゴリー : 環境 


 エルニーニョ現象とラニーニャ現象
エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の中央部(日付変更線付近)から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象です。これとは逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれています。

■ エルニーニョ現象
エルニーニョ現象は、海面のみの現象ではなく海洋内部の変化も伴います。また、大気の変動とも密接に関連しています。
海洋では一般的に、密度の大きい冷たい水が深い層を占め、その上に密度の小さい暖かい水が分布しています。また、太平洋の低緯度海域の海面気圧は、東部で高くて、西部のインドネシア付近で低くなっています。この東西の気圧差に応じて、太平洋の赤道域の海面付近では、貿易風と呼ばれる東風が吹いています。そして、この東風によって海面付近の暖かい水が太平洋の西側に吹き寄せられ、インドネシア近海では海面下数百メートルまでの表層に暖かい水が蓄積しています。
エルニーニョ現象が発生している時には、東風が平常時よりも弱くなっています。また、西部に溜まっていた暖かい水が東方へ広がるとともに、東部では冷たい水の湧き上りが弱まっています。このため、太平洋赤道域の中部から東部では海面水温が平常時よりも高くなっており、これに伴って、積乱雲が盛んに発生する海域も平常時より東へ移っています。
したがって、日本では高気圧が弱くなり、冷夏になりやすい。

■ ラニーニャ現象
ラニーニャ現象の時には、東風が平常時よりも強くなっています。このため、西部に暖かい水が厚く蓄積する一方、東部では冷たい水の湧き上がりが強くて海面水温が平常時よりも低く、東西の海面水温の差が平常時より大きくなっています。また、インドネシア近海の海上では積乱雲がいっそう盛んに発生しています。 そのために、日本では高気圧が強くなり、 猛暑になりやすい。
ラニーニャ現象発生時の夏は、気温は、東・西日本に「平年並〜高い」傾向があります。降水量は、東・西日本太平洋側と南西諸島に「平年並〜多い」傾向があります。
  ⇒ ヒートアイランド現象

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