Subject  : 地盤沈下

カテゴリー : 環境 


 地盤沈下
地盤が沈下する現象は、地震などによる自然現象、地下水の汲み上げ、 および盛り土や構造物建設に伴って生じます。 地盤沈下は典型7公害の一つとされ、人為的なもので、主に地下水の 過剰な揚水が原因であり、自然現象によるものとは区別されています。
地盤が沈下する現象は長期に渡って継続的に生じてくる為、現象の進行を感覚的に認識し難く、気づいた時には相当沈下が進行しているという厄介な公害です。
地盤沈下は主として地下水の過剰な揚水により、地盤中の軟弱な粘土層が広い範囲にわたって収縮して起こります。 地下水面下の粘土層が圧縮して起こる体積変化の大部分は、間隙水が移動する事によって生じてきます。この体積変化は骨格構造の単純な圧縮だけでなく、土粒子自体が移動することによっても起こります。この様な圧縮のことを圧密と言います。つまり圧密現象とは、透水性の悪い粘土が外圧をうけて間隙水を少しずつ絞り出しながら、長い時間をかけて体積を減らしていく現象の事です。被圧地下水位が1m沈下すると、1m2当り約1トンの荷重地盤に加えた事になり、土の骨格に働く力が増大してきます。従って、被圧地下水を過剰に採取すると、砂・礫層に排出され、粘土層が収縮してきます。通常、粘土層の方が砂・礫層よりも圧縮性が10〜100倍高いので、地盤の圧縮は地下水を揚水している砂・礫層よりもその上下にある粘土層で主に生じる事になります。土質地盤内で地下水揚水の開発を行えば、多かれ少なかれどこででも地盤沈下を引き起こす事につながります。
不等沈下による建物の傾斜、ひび割れ、道路の凸凹や橋げたとの段差の発生、ガス・上下水道の地下配管の破損、排水施設の機能低下による浸水等、日常生活に大きな影響を及ぼします。
地盤沈下はいったん沈下が生じると、そのほとんどが回復不能であるという特徴を有しています。  地盤沈下はゆっくりと長時間にわたって進行していく為、建物に多少不良があっても、排水不良があっても、それに気をとめる人は少ないので、発見が遅れがちになってしまいます。 地盤が沈下しても堤防の嵩上げ、内水排除設備等の災害防止対   策を適宜行うことが出来るので、それだけでは災害に至らない事 が多いのですが、この為に毎年莫大な経費がつぎこまれています。  地震や台風などの集中豪雨に襲われると、地盤沈下地域では大災 害となる事があり、非地盤沈下地域と被害の程度に著しい差が生 じてきます。 


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