Subject  : 貨幣状皮膚炎

カテゴリー: 健康・医療情報 > 


 貨幣状皮膚炎
貨幣状,小水疱性で,痂皮を伴い,鱗屑を形成し,通常かゆみのある病変によって特徴づけられる,慢性的な皮膚の炎症。
 原因はわかっていない。貨幣状皮膚炎は中年の患者に最も一般にみられ,特に冬の間は,しばしば皮膚の乾燥と関連する。

 【症状と診断】
 円板状の病変は,後に血清成分が浸出し痂皮を形成する,融合性の水疱や丘疹,またはかゆみのある斑として始まる。病変は発疹性で,広範に及ぶ;病変は四肢伸側,殿部でより顕著であることが多いが,体幹にも現れる。増悪と軽快が起こり,その場合,病変は治癒した病変部位に再出現する傾向がある。

 【治療】
 統一された効果的な治療法はない。特に液体の浸出や膿がある場合には,水道水湿布とともに,経口的な抗生物質(クロキサシリンまたはセファレキシンの250mg1日4回投与)が経験に基づいて投与される。炎症の軽い病変は,経口テトラサイクリン250mgを1日4回投与すると改善する。この薬は(抗菌薬は必要とされないにも関わらず)薬効をもつ。コルチコステロイドクリームや軟膏は,1日3回すり込む。ポリエチレンフィルムの下にコルチコステロイドクリームを塗ったものや,あるいはフルランドレノリドをしみこませたテープによる密閉包帯を就寝時につける。治療に反応を示さない病変は非常にまれだが,その場合にはコルチコステロイドの病変内注入が有益である。より広範で抵抗性が強く,再発しやすい場合は,紫外線Bの照射のみか,経口ソラレン投与を伴う紫外線Aの照射が有効である。ときに,コルチコステロイドの経口投与が必要なこともあるが,長期にわたる使用は避けるべきである;副作用を抑えるため,1日おきに40mgのプレドニゾン投与が,治療開始時には合理的な用量である。重篤な場合に,低用量の経口シクロスポリン(3〜5mg/kg/日)が実験的に使用されている。
 ⇒ 皮膚疾患

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]