Subject  : 脂漏性皮膚炎〔しろうせいひふえん〕

カテゴリー: 健康・医療情報 > 


 脂漏性皮膚炎〔しろうせいひふえん〕
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)とは、主に頭皮や顔、ときにはその他の部分にみられる慢性皮膚炎で、皮膚の表面のかさつきやフケなどの症状(鱗屑、落屑)を伴い、その原因はわかっていません。
脂漏性皮膚炎は、生後3カ月以内の乳児に最も多く、30〜70歳の成人にも発症します。この病気は男性に多く、しばしば遺伝し、寒い気候で症状が悪化します。

 【症状】
脂漏性皮膚炎の症状は徐々に現れます。頭皮に乾いた、または脂っぽい粉状の皮膚のはがれ(フケ)が生じ、かゆみを感じることもありますが抜け毛はみられません。ひどくなると黄色から赤みがかった、うろこ状のかさつきを伴う吹き出ものが、髪の生えぎわ、耳の後ろや中、眉の上、鼻筋や鼻の周囲、胸、背中の上部などにできます。生後1カ月未満の乳児では、頭皮に厚く黄色いかさぶた状の発疹(新生児頭部皮膚炎)ができたり、耳の後ろの皮膚が黄色くかさかさになったり、顔に赤い吹き出ものができることがあります。この頭皮の発疹に伴い、治りにくいおむつかぶれもしばしばみられます。もっと年上の小児や成人では、厚いうろこ状のかさつきを伴う治りにくい発疹ができ、皮膚が大きなフケのようにはがれ落ちます。

 【治療】
頭皮の症状は、ジンクピリチオン、硫化セレン、抗真菌薬であるサリチル酸や硫黄、タールなどの成分を含むシャンプーで治療できます。これらの薬用シャンプーを1日おきに使用し、症状が治まってきたら回数を減らし週2回使用します。ケトコナゾールクリームも同様に効果があります。成人で、厚いかさぶたやうろこ状のかさつき(鱗屑)が生じている場合、ステロイドやサリチル酸を塗ってその上からシャワーキャップをかぶって1晩おくと、症状が和らぎます。
多くの場合、治療は何週間も継続しなくてはなりません。治療をやめた後に症状が再発したら、治療を再開します。頭をはじめ、症状が出ている部分には、局所用ステロイドも使われます。顔には、1%ヒドロコルチゾンのような弱いステロイド薬を使うべきです。弱いステロイド薬でも、長期間使用すると皮膚が薄くなるなどの問題が生じるおそれがあるので、慎重に使用しなくてはなりません。
乳児や低年齢の小児の頭皮に、厚いうろこ状のかさつきを伴う発疹が出ている場合、就寝時に、鉱物油にサリチル酸を混ぜたものを柔らかい歯ブラシにつけて発疹にそっとすりこみます。また、頭皮は刺激の少ないベビー用シャンプーで毎日洗うようにします。1%ヒドロコルチゾンクリームを頭皮にすりこんでもいいでしょう。
 ⇒ 皮膚疾患

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]