Subject  : しゃっくり

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 しゃっくり
しゃっくりは正式には吃逆(きつぎゃく)といい、だれにでも起こるありふれた状態ですが、れっきとした運動機能障害の1つです。しゃっくりは横隔膜がけいれんした後、声門が素早く閉じるときに出る音をいいます。横隔膜は腹部と胸部を仕切っている筋肉で、1回ごとの呼吸を調節しています。声門は左右の声帯の間の開口部で、声門が閉じると空気が肺に流れこまなくなります。しゃっくりは、速く深い呼吸(過換気)などによって、血液中の二酸化炭素レベルが下がると起こりやすくなります。

 【原因】
急激な温度変化があったときに起こります。また、食べ物、特に冷たい物や熱い物を急いで食べたり飲んだりしたときや、いわゆる食べ過ぎ、酒の飲み過ぎなどのとき、特に小児では精神的興奮状態やストレスの表現としても起こります。
 原因としては、
@皮膚全体への何らかの刺激が中枢神経を経て横隔膜神経を刺激するため
A胃がふくれることによって横隔膜を直接刺激するため
Bストレスが脳を刺激するためなどが
考えられます。

しゃっくりの多くは突然始まり、数秒から数分後には止まります。しかし、ときには健康な人でも、しゃっくりがなかなか止まらないことがあります。重大な原因によるしゃっくりは、その原因が治るまで長びく傾向があります。脳腫瘍や脳卒中によるしゃっくりは非常に止まりにくく、疲労が増大します。 尿毒症、アルコール中毒、急性伝染病、流行性感冒、ヒステリー、神経衰弱、 頸部リンパ節や甲状腺肥大、肺・縦隔・心のうの疾患、腔内の種々の炎症(横隔膜下腫瘍、胆のう炎、肝膿瘍、膵壊死など)、腸閉塞、急性腹膜炎などが原因になる場合があります。

 【治療】
しゃっくりを治す方法として、さまざまな民間療法が知られています。多くは、血液中の二酸化炭素レベルを増やしてしゃっくりを止めようとする方法です。息を止めるのが最も単純なしゃっくりの止め方ですが、紙袋(ビニール袋は不可)を口にあてて呼吸するのも、二酸化炭素レベルを増加させる効果があります。また、水を素早く飲んだり乾燥したパンや砕いた氷を飲みこんだりすると、脳から胃へ走る迷走神経が刺激され、しゃっくりが止まります。舌をそっと引っぱったり、眼球をそっとこすっても迷走神経を刺激します。これらの方法は、ほとんどのしゃっくりに効果があります。
長びくしゃっくりで、特に治りにくい原因がある場合は治療が必要です。さまざまな薬が使用されてきましたが、効果はまちまちです。使用される薬にはスコポラミン、プロクロルペラジン、クロルプロマジン、バクロフェン、メトクロプラミド、バルプロ酸などがあります。
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