Subject  : 四肢動脈塞栓症(ししどうみゃくそくせんしょう)

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 四肢動脈塞栓症(ししどうみゃくそくせんしょう)
四肢動脈に栓子がつまり、急激に血流途絶を生じた状態をいいます。症状は突然、患肢に激痛をおぼえ、そこから末梢は蒼白となり、知覚はなく、脈拍も触れません。しだいにチアノーゼから壊死を生ずるようになります。
四肢急性動脈閉塞症は、上肢または下肢の主幹動脈に急性閉塞をきたす病気 で、塞栓症と血栓症に分けられます。
 塞栓症とは、心臓や大動脈壁に付着した血栓が遊離し血流に乗って末梢(まっしょう)側の動脈、とくに解剖学的に枝分かれする部位に嵌頓(かんとん)して急性虚血症状をきたすものです。つまり、動脈に病気がなくても突然動脈が閉塞する病気なのです。原因のほとんどは、心臓弁膜症、心房細動、心筋梗塞などの心臓の病気ですが、大動脈瘤(りゅう)内の血栓が原因のこともあります。しかし、心房細動という不整脈と僧帽弁膜症が多いので、この病気を指摘されている方は注意が必要です。塞栓症の約60%は脳動脈、40%が四肢の動脈に起きると言われています。四肢動脈では下肢動脈、とくに大腿動脈に最も多く起こります。
 一方、血栓症は、動脈硬化、血管炎、外傷、血液疾患などの原因でその動脈内に血栓ができて急性に閉塞するものですが、これも下肢動脈に多いとされています。

 【症状】
 動脈塞栓症、血栓症の症状は、急激で激烈な疼痛とともに患肢の脱力が特徴的です。時間が経過すると、知覚鈍麻(どんま)や進行性の皮膚変色、チアノーゼ、運動麻痺をきたし、放置すれば壊死となってしまいます。

 【治療法】
、可及的早期に血栓または塞栓を除去する手術を行うのが有効です。血栓症の場合は、血栓溶解剤が効果的な状況もありますが、血栓症と塞栓症は臨床の場では簡単に鑑別できないことも多く、また、閉塞範囲が長いときはバイパス手術が必要になることもありますので、血管外科専門医の診断が必要になります。動脈の閉塞の状況によっては少し時間の余裕がある場合もありますが、一般的には発症後6.8時間以内に血行再開しなければ救肢できない可能性が高く、また場合によっては命を救えないこともありうるので、適切な初期診断と早期の治療が重要です。
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