Subject  : 下垂体腫瘍

カテゴリー: 健康・医療情報 > がん


 下垂体腫瘍
頭蓋骨の基底部にある下垂体は、体内の多くの 内分泌系をコントロールしています。下垂体の腫瘍(下垂体腺腫)は通常は非癌性です。腫瘍は異常に大量の下垂体ホルモンを分泌します。影響は大量に分泌されるホルモンの種類によります。
成長ホルモン:背が伸びすぎる巨人症や、頭部、顔、手足、胸が不均衡に大きくなる先端巨大症
副腎皮質刺激ホルモン(コルチコトロピン):クッシング症候群
甲状腺刺激ホルモン(TSH):甲状腺機能亢進
黄体刺激ホルモン(プロラクチン):女性では月経が止まったり(無月経)、授乳中でない女性に母乳が出たり(乳汁漏出)、男性では勃起不全や胸がふくらむ(女性化乳房)など
下垂体腫瘍はまた、ホルモンを分泌している下垂体組織をも破壊するため、最終的に体内の下垂体ホルモン量が不足してしまいます。また、多くの人に頭痛が起こり、腫瘍が拡大すると両眼の周辺視力が失われます。

 【症状】
腫瘍が大きくなることによって周囲の組織を圧迫して生じる症状と、ホルモン産生の変化による内分泌症状とに大別されます。視神経や視交叉を圧迫することによって視力視野障害が生じたり、非常に大きくなって脳脊髄液の流れを障害して水頭症をきたしたりします。非機能性のものではホルモンが少なくなることによって下垂体機能低下症が生じます。具体的には、男性では、性欲低下や勃起不全などの性機能障害、女性では、月経不順、無月経などです。また、腫瘍内に突然出血することがあり、そのような場合には、突然の頭痛および視力視野障害や眼球運動障害などが生じます。
副腎皮質刺激ホルモン産生下垂体腺腫はクッシング病と呼ばれ、顔が満月様に丸くなり、手足に比べて胸や腹部が太る、いわゆる中心性肥満という体型になります。にきびができやすくなり、体毛が濃くなります。また、思春期になっても月経が発来しないといった原発性の無月経の原因のひとつでもあります。

 【治療法】
視力視野障害が出現したり視神経が圧迫されたりしている場合は外科治療が行われます。
プロラクチン産生腺腫、成長ホルモン産生腺腫や甲状腺刺激ホルモン産生腺腫などのホルモン産生腺腫では、薬物治療が第一選択となる場合もあります。また、それに手術、放射線療法 (ガンマナイフ)などを組み合わせたりすることもあります。
 ⇒ ホルモンがつくられる部位と機能

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