Subject   : ブログ・ウェブサイトで注意すべき権利

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 ブログ・ウェブサイトで注意すべき権利
 ホームページ・ブログは内容が個人的な日記であっても、「私的使用」(著作権法の例外)にはあたりません。世界中に向けて発信しているため、公的(public)です。したがって、著作権・肖像権の侵害や、名誉毀損に注意が必要です。
 著作権は届けなくても誰にでも自動的に発生します(無方式主義)。申請も登録も不要です。ブログなどウェブサイトの作者は自動的に著作権者です(法人サイトはその法人が著作権者)。コピーライトの (C) 表示をしていなくても、自動的に著作権を所持していることになります。
 原則「著作物」と定義されないものは自由に利用できます。著作権法での定義(第2条)は、 著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」ということになっています。 自分で撮影した写真でも、雑誌の表紙・CDジャケットなどは、その会社やカメラマンの著作権侵害になります。 タレント・著名人が写っているとパブリシティ権の侵害(自分の写真を財産として独占的に使用できる権利) アニメ・マンガのキャラクター使用も著作権侵害・公衆送信権の侵害になります。著作権の侵害については、こちらを参考にしてください。

● 引用する場合
著作権法第32条で引用であれば著作権者の承諾無く著作物を利用できると定められています。しかし、引用であるためには、以下の2つの条件を満たすことが 必要です。
・公正な慣行に合致すること
・引用の目的上正統な範囲内であること
具体的には、引用する文章の長さは2〜3行程度とし、引用元をしっかり明記することが「慣行」として求められています。

● アイデア・データ・作風・技法などの場合
アイデア・データ・作風・技法は著作物ではありませんが、アイデアのうち、 特許・実用新案になっているものは別途、特許の法で保護されます。
料理のレシピ(= アイデア)そのものは許可なく使用できる。ただし、レシピを書いた文章そのものは著作物なので丸写しはできません。
料理は「著作物」でないので、店の料理を自分で撮影して掲載するのは問題ない。ただし、他人が撮影した写真は、写真そのものにその人の著作権が あります。
ランキングのようにデータを並べたものも著作物ではないので自由に利用 できますが、データベースには著作権が認められています。

● 建物や工業製品
お店の外見も一般に許可は不要です。(第46条) 「屋外に設置された美術の著作物や建築の著作物は,方法を問わず利用できる」 
 ただし、ディズニーランドのように建物が創作性が高いものは、制約される 場合があります。(商業利用の撮影は「固くおことわり」など)。
クルマや家電など工業製品も「著作物」ではないので、自分で写真を撮って掲載するのは問題ありません。ただし、きわめて芸術的(創作的)なものは、著作物と見なされる場合もあります。

● 新聞の見出しや短信記事
事実の伝達にすぎない雑報  人事異動、死亡記事、火事、 交通事故など、いつ、どこで、誰が、何をしたかという事実だけが書かれた素っ気ない短信記事。著作権法では、これらのものは(事実のみだから)著作物に該当しない(第10条第2項)。 しかし現代の通常の新聞記事のほとんどはこの範囲を超えているので著作物に 該当します。

● 名誉毀損
著作権法に抵触しなくても、名誉毀損罪(相手の悪口を書くこと)などに問われることがありますので注意が必要です。本当のことでも名誉毀損。すでに知られている事実であってもそれを再び取り上げると名誉毀損。「うわさ」を取り上げても名誉毀損。相手の名前を書いてなくても、誰だか推定できれば名誉毀損。 例外として、公共の利害に関することで、公益目的で書いた場合は(裁判報道など)、それが真実と信じる相当な根拠があれば処罰されません。 つまり、多くの人々の利害に関することについて、公益目的で事実に基づいた悪口は罪になりません。刑法第二百三十条(名誉毀損)。名誉毀損罪は親告罪です。

● プライバシー侵害
犯歴・病歴などを報道する場合は、本人の承諾を得る必要がありますが、公共性・公益性があり、内容・背景を理解するのに必要な範囲での報道は免責。政治家など公人・著名人は範囲が狭くなる。民事。

● 肖像権、パブリシティ権 
タレント・著名人の場合は、自らの肖像は仕事に使う大事な財産です。そこで、その肖像を独占的に使う権利があり、パブリシティ権と呼ばれます。
著名でも人間以外の「モノ」についてはパブリシティ権が確立していません。
肖像権は「自己の容ぼう等を含む写真・映像をみだりに公表されない権利」。 刑事でなく、民事。
 ⇒ 著作権の侵害について

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