Subject   : 地震空白域

カテゴリー  : その他  


 地震空白域
 地震空白域は大地震が起こる場所で長期間にわたって地震が発生していない区域、あるいは大地震の前に地震活動が静穏化する区域などを指して地震空白域といい3種類に分けられています。

 第一種の地震空白域はプレート境界において大きな地震を発生させた経歴があるのに長い間地震が発生していない場所を指します。とくに周辺では次々に大地震が発生しているのに一部が取り残されるような空白域は近い将来に大地震が発生する可能性が大きいと考えられており、実際に指摘された場所に空白を埋めるようにして大地震が発生した例があります。  第一種の地震空白域はプレート型地震の未破壊震源域のことであり、この考え方は直下型地震にも当てはめることができそうですが直下型地震に対しては第三の種空白域という別の呼び方があります。

 一般に小さな地震は大きな地震より頻繁に発生するので比較的小さい地震は常時発生しているとみることができます。  第二種の地震空白域とは大地震が発生する前に通常発生しているような中小の地震活動が低下する現象が認められることがあり、この低下した領域を指します。
 なお、通常の地震活動が低下しているかどうかは余り小さな地震まで含めると分からなくなるため、ある程度大きな地震に限定する必要があるといわれています。

 陸域の中小の地震が帯状に活動している場所に注目すると近年地震が起きていない場所が存在しており、これを第三種の地震空白域と呼びます。第三種の地震空白域は第一種や第二種の空白域と同様な現象に着目して拾い出されたものです。この空白域で兵庫県南部地震(1995年)が発生し、さらにはその後の比較的大きな規模の地震もこの空白域の一部で発生しているといわれています。  直下型地震を発生させる活断層の活動履歴を調べて地震発生確率などの長期評価が行われています。発生確率の高い活断層と第三種の空白域が重なる場合はことさら要注意ということになります。

 地震空白域で中小の地震活動か低下することと同時に空白域の外側では逆に地震活動が活発化する現象が認められることがあり、この現象をドーナツ現象と呼びその分布形状をドーナツパターンといいます
  ⇒ マグニチュードと震度
  ⇒ 地震の震度と被害程度

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