Subject   : ギリシア人

カテゴリー  : 人文 >  


 ギリシア人 
 古代ギリシア人は、インド・ヨーロッパ語族に属し、紀元前3000年紀ごろから北方から南下して、バルカン半島の先端やエーゲ海の西岸、さらにクレタ島などの島々、つまりギリシアの地に居住するようになった。このうち、最も早く南下して、ミケーネ文明を作りだしたのが東方方言に属するアカイア人とされている。

● アカイア人
 古代ギリシア人は前2000年ごろ(最近では前3000年ごろとも言われる)からバルカン半島から南下してギリシア本土に定住しし、青銅器文明段階に入った。そのうち東方方言に属する一派のアカイア人は、前16世紀ごろに先行のクレタ文明に代わってミケーネ文明を形成し、ミケーネ王国などの王国を作った。彼らは独自の線文字Bを使用してギリシア語を表記し、オリエント的な専制権力を持つ国王のもとに貢納王政という体制を作り上げていた。

 ミケーネ文明が前12世紀ごろ崩壊し、暗黒時代を通してギリシア人の別の一派ドーリア人が鉄器の使用をテコに有力となっると、先住民のアカイア人は征服されて被支配層になった。スパルタのヘイロータイといわれる人々はアカイア人と考えられている。

● イオニア人
 古代のギリシア人に属するイオニア人、アイオリス人、ドーリア人は、いずれも神話上のギリシア人の始祖ヘレネの子供や孫の子孫たちとされる。このうち、イオニア人とは、小アジア(アナトリア)西岸のイオニア地方に居住し、イオニア方言を話す人びとを言う。もとはアテネなどのアッティカ地方の住民と同じ系統とされる。

● アイオリス人
 古代のギリシア人の中で、小アジア西岸の北部(イオニア地方の北)のアイオリス地方に居住し、アイオリス方言を話す人びと。レスボス島もこの人びとの居住地であった。ギリシア本土のテーベは、アイオリス人のポリスである。

● ドーリア人
 古代のギリシア人の中で、ペロポネソス半島に居住し、その方言を話した人びと。ドーリス人とも言う。スパルタは、このドーリア人が先住民を征服して成立したポリス。もとはギリシア北部にとどまっていたギリシア人であったが、前1200年頃にギリシア本土のミケーネ文明が消滅(その理由は現在は海の民の侵入によると考えられている)した後に、南下し始め(一般にこれをギリシア人の南下の第二波という)、前1100年ごろにペロポネソス半島一円に定住し、先住民のアカイア人と共存していった、と考えられている。

 ⇒ 

[メニューへ戻る]  [カテゴリー一覧へ戻る]  [HOMEへ戻る]