Subject   : マズローの欲求階層説

カテゴリー  : 人文  


 マズローの欲求階層説(Maslow's hierarchy of needs)
 マズローの欲求階層説(欲求ピラミッド、欲求5段階説)は、米国の心理学者A・マズローが発表した学説です。本来は人間行動全般に関する理論ですが、心理学を超え、経営学、教育学など様々な周辺領域に影響を与えました。  マズローの研究には「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」という考え方が根底にあります。精神病理を解明する精神分析に対して、人間の肯定的な側面に注目した点が特徴です。

 マズローは人間が行動を起こす理由(動機)として大きく2つの段階があると考えました。1つは「欠乏動機」です。これは「何かが足りない」という欠乏状況を充足させることが、行動を起こすやる気の源泉になるというもので、主に4つの欲求から構成されます。例えば「空腹を満たしたい(生理的欲求)」「安全な場所に住みたい(安全欲求)」「家族・友人と親しくありたい(親和欲求)」「仲間に自分の実力を認められたい(承認欲求)」などです。
 もう1つは「成長動機」です。これは欠乏動機である4つの欲求が満たされると、人が行動を起こす動機は「自分の能力を活かしてさらに成長したい(自己実現欲求)」まで達するというものです。

 この説の重要なポイントは、5つの欲求は階層構造にあり、 第1段階の「生理的欲求」や第2段階の「安全欲求」など低次の欲求が満たされると、一段階上の欲求が高まり、その欲求を満たすための行動を起こすようになるということです。  マーケティングの分野では、消費者の購買欲求(ニーズ)を読み解く際にこの理論を活用しています。市場の成熟度に応じて高度化し、複雑化する消費者ニーズ分析の土台となる枠組みとして有効です。

第3段階は「親和要求(Love/Belonging)」:他者と関わりたい、集団に帰属したい。第4段階は「承認要求(Esteem)」:他者から価値ある存在と認められたい。第5段階は「自己実現(Self-actualization)」:自分の能力を発揮して創造的活動をしたい。

 ⇒ 諸子百家

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