Subject   : 農耕牧畜の発生から潅漑農業へ

カテゴリー  : 歴史  


農耕牧畜の発生から潅漑農業へ
 前7000年紀:(約9000年前〜8500年前)、肥沃な三日月地帯にジャルモ遺跡などに見られる初期の農耕文明が生まれた。

これは新石器革命と言われている人類にとっての大きな変革であった。これらの遺跡から、土器の使用、ムギの栽培と日干し煉瓦による住居を持ち、定住生活を開始したことがわかっている。この段階の初期農耕は灌漑ではなく降水に依存する天水農業であり、また周辺での羊などの牧畜も行われるようになった。この時期のシュメール以前の人種の系統は不明である。

前6000年紀:この時期の初め頃、まずメソポタミアの北部のジャジーラ(島の意味)と言われる比較的降水量の多い地域でも農耕が開始され、その中頃にさらに両河の下流の沖積平野は定期的な洪水が起こる中で、潅漑農業が始まったと考えられる。その最初はティグリス中流のサマッラ遺跡で、年間最低降水量が200mm以下の地域であるので、灌漑に依存したと思われる。さらに前5500年頃、メソポタミア南部の乾燥地帯にウバイド文化が登場するが、これもサマッラ文化の灌漑技術を継承したと考えられる。このころメソポタミア南部に大規模な定住が進んで都市が形成されていった。

● メソポタミア文明
 ティグリス・ユーフラテス両河流域に前3000年頃、都市文明が成立。エジプトと並んでオリエント文明の中心地域となる。シュメール人、セム系、インド・ヨーロッパ語系などの民族が興亡し、バビロニア、アッシリア、ペルシア帝国などが古代国家が成立した。

 ティグリス川とユーフラテス川の流域のメソポタミアに成立した現在人類最古と考えられている文明。最初の農耕・牧畜が始まり、その中から青銅器を持ち、楔形文字を用い、多神教に基づく神殿(ジッグラト)を中心とした都市文明が生まれ、六十進法や太陰暦などの文化が形成された。このメソポタミア文明はエジプト文明とともに、ひろくオリエント文明を構成してる。

  ⇒ 人類の進化
  ⇒ 世界史年表

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